シリーズ「これが病気の“正体”!」第3回

【閲覧注意】原因不明の「クローン病」に侵された腸! 国内に4万人以上の患者

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「クローン病」に侵された腸

 クローン病は、口から肛門までのすべての消化管(全長約6m)に慢性肉芽腫性炎症を生じる“原因不明”の疾患だ。

 厚生労働省は、クローン病を特定疾患に指定。とりわけ、終末回腸(回腸末端から盲腸にかけての回盲部)が好発部位だが、大腸に発生するクローン病も稀でない。「潰瘍性大腸炎」とともに「炎症性腸疾患」(IBD:Inflammatory bowel disease)に分類される。

 発症は10代後半から20代の若年層に多く見られ、国内での罹患者数は4万人以上。およそ2:1で男性が多い。致死的でないうえに、簡単に治癒しない病気なので、患者の高齢化が進んでいる。

 腸管の壁の全層にわたって炎症が生じる結果、腸管の狭窄や腸管同士の癒着・瘻孔(トンネルのようにつながること)が生じやすく、腸に穴が空いて緊急手術を要する場合も生じる。

 掲載したのは、定型的なクローン病(終末回腸炎)の肉眼像である。回腸末端部に縦に走る潰瘍(縦走潰瘍)がみられ、病変が多発している。

 クローン病は、潰瘍性大腸炎と違って病変が腸管の一部に限られるため、手術適応になる例が多い。

堤寛(つつみ・ゆたか)

藤田保健衛生大学医学部第一病理学教授。慶應義塾大学医学部卒、同大学大学院(病理系)修了。東海大学医学部に21年間在籍し、2001年から現職。「患者さんに顔のみえる病理医」をモットーに、病理の立場から積極的に情報を発信。患者会NPO法人ぴあサポートわかば会とともに、がん患者の自立を支援。趣味はオーボエ演奏、日本病理医フィルハーモニー(JPP)団長。著書に『病理医があかす タチのいいがん』(双葉社)、『病院でもらう病気で死ぬな』(角川新書)、『父たちの大東亜戦争』(幻冬舎ルネッサンス)、『完全病理学各論(全12巻)』(学際企画)など。

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