シリーズ「これが病気の“正体”!」第3回

【閲覧注意】原因不明の「クローン病」に侵された腸! 国内に4万人以上の患者

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
crohn1.jpg

「クローン病」に侵された腸

 クローン病は、口から肛門までのすべての消化管(全長約6m)に慢性肉芽腫性炎症を生じる“原因不明”の疾患だ。

 厚生労働省は、クローン病を特定疾患に指定。とりわけ、終末回腸(回腸末端から盲腸にかけての回盲部)が好発部位だが、大腸に発生するクローン病も稀でない。「潰瘍性大腸炎」とともに「炎症性腸疾患」(IBD:Inflammatory bowel disease)に分類される。

 発症は10代後半から20代の若年層に多く見られ、国内での罹患者数は4万人以上。およそ2:1で男性が多い。致死的でないうえに、簡単に治癒しない病気なので、患者の高齢化が進んでいる。

 腸管の壁の全層にわたって炎症が生じる結果、腸管の狭窄や腸管同士の癒着・瘻孔(トンネルのようにつながること)が生じやすく、腸に穴が空いて緊急手術を要する場合も生じる。

 掲載したのは、定型的なクローン病(終末回腸炎)の肉眼像である。回腸末端部に縦に走る潰瘍(縦走潰瘍)がみられ、病変が多発している。

 クローン病は、潰瘍性大腸炎と違って病変が腸管の一部に限られるため、手術適応になる例が多い。

堤寛(つつみ・ゆたか)

つつみ病理相談所http://pathos223.com/所長。1976年、慶應義塾大学医学部卒、同大学大学院(病理系)修了。東海大学医学部に21年間在籍。2001〜2016年、藤田保健衛生大学医学部第一病理学教授。2017年4月~18年3月、はるひ呼吸器病院・病理診断科病理部長。「患者さんに顔のみえる病理医」をモットーに、病理の立場から積極的に情報を発信。患者会NPO法人ぴあサポートわかば会とともに、がん患者の自立を支援。趣味はオーボエ演奏。著書に『病理医があかす タチのいいがん』(双葉社)、『病院でもらう病気で死ぬな』(角川新書、電子書籍)『父たちの大東亜戦争』(幻冬舎ルネッサンス、電子書籍)、『完全病理学各論(全12巻)』(学際企画)、『患者さんに顔のみえる病理医からのメッセージ』(三恵社)『患者さんに顔のみえる病理医の独り言.メディカルエッセイ集①〜⑥』(三恵社、電子書籍)など。

堤寛の記事一覧

堤寛
難治性むちうち症からなぜ多くの不定愁訴がおきてしまうのか?
難治性のむちうち症を改善 後編 東京脳神経センター 整形外科・脊椎外科部長 川口浩医師

前編『画像診断できない難治性のむちうち症を独自の治療法で改善』

原因不明で治療法がなく多くの患者さんが回復をあきらめていた難治性のむちうち症。東京脳神経センターで進む独自の治療で、めまい、動機、吐き気などの全身症状やうつ症状などの不定愁訴が大幅に改善しているという。その具体的な成果についてお話を伺った。

Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

医療法人社団 顕歯会 デンタルみつはし 理事長…

三橋純

近畿大学理工学部生命科学科ゲノム情報神経学准教授…

西郷和真

小笠原記念札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認定クリ…

横山隆