避難所では疎まれる「ペット」の現実~全国初の「犬の殺処分ゼロ」達成した熊本市でさえ

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ペット同行避難が原則だが、責任は飼い主に

 環境省のガイドラインでは「災害が起こったときに飼い主はペットと同行避難することが原則」と記載されている。しかし、避難所では、「吠え声がうるさい」「咬まれた」「不潔」といった苦情もあり、トラブルは多い。

 避難所に連れて行く際は、きめ細かな配慮が必要だ。ワクチン接種や蚤取り等の健康管理や、ムダ吠えしないなどのしつけをしておくことが大前提。さらにキャリーバッグやケージに入ることを嫌がらないよう、日頃から慣らしておくことも大切だろう。

 普段から休めるスペースとして開放しておき、中に入ったら、ほめる、中でおやつを与えるなど、ペットにそこがいい場所だという印象を持たせよう。

 避難所では、人間の食べ物は支給されても動物の分はない。飼い主が事前に用意しておく必要がある。水とフードは5日分以上持ち出せるようにしたい。

 持病の薬、壊れにくい食器も必要。食事とともに大切なのは排泄だ。ペットシーツや猫砂などのトイレ用品、排泄物処理用のグッズも用意しておきたい。

 予備の首輪やリードもあったほうがいい。さらに、はぐれたときのために、ペットに迷子札とマイクロチップをつけておこう。ペットの写真を携帯電話に保存しておくと、探すときの役に立つ。飼い主、ペットの情報、さらに親戚や友人など一時預かり先を記したメモなどもあったほうがいい。

 非常時に備え、人間用の非常持ち出し袋とともに、飼い主はペット用非常袋も用意しておきたい。とはいえ、避難所でペット同行避難を受け入れるか否かは不明だ。

 事前に居住する自治体に問い合わせ、ペットが同行できる避難所を要望しておこう。署名などを集めて要望書として提出すれば、なおいいかもしれない。

暗い中での明るいニュースもある

 今回の地震でペットを連れて途方に暮れていた飼い主たちに手を差し伸べた人々がいる。

 熊本市の「竜之介動物病院」は、最初の地震があった14日夜から、同じビルの3〜4階の専門学校のフロアをペット同行避難所として開放。院長のブログやフェイスブックなどを通じてペット同行避難所の存在を知らせた。遠く離れたところからフェイスブックでシェアをした人も多いだろう。

 情報を得た行き場のないペット連れ飼い主が続々と竜之介病院に身を寄せ、その数は多い時で200人以上。ケガをしたり体調を崩したペットは治療もしてもらえるので、飼い主は心から安心できたことだろう。

 また、紛争や災害、貧困などの支援を行うNGO「ピースウィンズ・ジャパン」は、被害の大きかった益城町総合体育館芝生広場に災害用避難テント36張りを設置。妊婦を含む女性、ペットと共に避難する人を受け入れた。

 同団体のHPには、「避難所の体育館に犬は入れないので通路に寝ていたけれど、広いバルーンで犬と一緒にゆっくり眠れてうれしかった」というペットともに避難した女性のコメントが掲載されている。

 困難な状況下でも、人も動物も助け合いながら生きていける。これは決してきれいごとではないだろう。
(文=編集部)

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