働く女性の“4人に1人が流産”を経験〜安心して妊娠・出産ができる職場環境は遠い?

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「なかった子だと思えば気落ちしない」だと!?

 とはいえ、日本の労働環境が妊娠した女性に対して十分にケアできているかといえば、実態はまったくそうではない。厚生労働省の「働く女性の母性健康管理措置、母性保護規定」の周知度が低いことも問題だ。

 たとえば、妊娠中の休憩時間の延長・回数の増加措置については、64.5%が「知らなかった」と回答。また、ラッシュアワーを避けて通勤できるようにする勤務時間の短縮措置も、38.2%が「知らなかった」と回答した。

 さらに、正規・非正規の雇用形態にかかわらず、すべての女性が取ることのできる産前休業(産前6週)を、「6週間未満しかとれなかった」「とらなかった」理由として、「職場の都合で請求しなかった」と答えた人は13.8%にのぼった。また非正規女性労働者の23.2%が「制度自体を知らなかった」と答えている。

 妊娠中に女性が利用できる制度の認知度の低さや、全労働者に保証されている休業の取得が不十分である実態は明らかだ。

 加えて、ここ数で年浮上してきたのは「マタニティハラスメント」の問題だ。

 職場に妊娠を報告すると「子どもが第一」という価値観を押しつけて退職を迫ったり、長時間働けないのにわざと上司が長時間労働を強制したり、同僚からいじめられるといった「マタハラ」の被害を受けている女性が少なくない。

 妊娠・出産を理由とした不利益取扱いは、男女雇用機会均等法で禁止されているのにもかかわらず、依然として法律より慣例を重視する職場が多い。これでは働く女性が安心して妊娠・出産できる環境はほど遠い。

 全労連調査の回答者のフリーコメントには「妊娠中、夜勤勤務中に出血。(中略)腹痛も強く翌日勤務ができない可能性を伝えたが交代がいないと言われた。流産した後、『なかった子どもだと思えば気も落とさなくてすむ』と言われた」という、痛ましいケースもあったという。

 先月3月29日、均等法&育児介護休業法等の改正案が参議院善意会一致で可決・成立した。これにより、2017年1月1日から「マタハラ防止対策」が企業に義務化されることになる。

 こうした法整備を通じて、政府が掲げる「女性の仕事と暮らしの両立」を真に実のあるものとしない限り、出生率の向上は望めない。
(文=編集部)

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