アメリカで性交渉による感染者との報告
では、ジカ熱は日本でも広がるのか? 中南米での流行を受けてアメリカでの感染者がいつ発見されるかが大きな関心となったが、CDC は1月23日、アメリカ国内で性交渉によってジカウイルスに感染した可能性がある患者が14人報告されたと発表した。ヒトからヒトへの感染はないとしたこれまでの説を覆す新事実だ!
世界保健機関(WHO)は、今後1年間で、感染者が300万人から400万人と爆発的に増加する可能性を警告している。こうした緊急事態宣言は、2014年8月に西アフリカで猛威を振るったエボラ出血熱を警告して以来だ。(1月30日)
ジカウイルスを媒介するヒトスジシマカは国内にも生息している。その活動時期は5~10月だが、このとき海外から感染者が入国し、その人を刺したヒトスジシマカが他の人へ媒介すれば、感染が広がる恐れは十分にある。
未だ有効なワクチンや特効薬はないジカ熱。リオロ五輪が開催される8月はもっとも蚊の少ない季節とされるが、不安は消えない。アメリカでは性交渉での感染の可能性が指摘されるなどまだまだ不明の点もある。海外渡航はもちろんのこと国内での動向にも注意が必要だ。
ジカ熱に関する情報は以下に詳しい。
●厚生労働省 ジカウイルス感染症について
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000109881.html
●ジカ熱最新情報ポータルサイト
https://www.elsevier.com/connect/zika-virus-resource-center/
エルゼビア(本社:オランダ・アムステルダム、CEO: Ron Mobed)と医学情報誌Lancetは、『ジカ熱最新情報ポータルサイト』を緊急公開した。医療従事者や研究者、公共的な立場から発信される最新の情報アップデートし、研究論文、批評、論説、通信、コメントが掲載される。とかく感染情報が遅れがちな政府発表よりいち早い情報が出そうだ。
(文=編集部)