ヒートショックが多発する冬、年間1万人以上が入浴中に急死! 遺族の対処方法は?

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浴槽での死因と保険金の微妙な関係

 同社でも一番需要の多い湯沸かし機能付きユニットバスの場合、経験則から独自開発された散水剤で殺菌消毒と初期消臭がまず行なわれる。これは浴室内の臭気が外部に漏れ、他の生活空間に臭気が染み出てしまうとかの2次被害を回避するための必要性からだ。

 次に浴槽内の水に溜まった各種の汚染物を取り除く作業に入るが、他範囲にも広がった汚染物の除去作業はドアレールや排水管を外し、蛇口のボルト部分も擦り落として隅々まで丁寧に行なわれる。給湯器内など普段はあまり触れない箇所にもヌメリ、菌が繁殖しており、これが臭気を吸収して汚染物に代わる臭気の発生源となるので徹底的に除去される。

 上記の作業後は「敗血症」につながりかねない大腸菌や「レジオネラ肺炎」を引き起こす菌などの繁殖ぶりを水質検査するため、最速でも2週間(A社例)を要する。特殊清掃という近隣に悟られたくない隠密作業なども24時間対応で相談に乗ってくれるようだ。

 もう一つ、浴槽死の場合は保険金の支払いもどこか曖昧だ。事件性がなければ検案医からは「急性心不全」とか「虚血性心疾患」と診断されやすい。基本的に生命保険は支払われても、これらの浴室内の病死では「急激・外来・偶然」を要件とする傷害保険の支払いは原則なし。

 仮に病名を否定し、足を滑らせての転倒死などを立証するにも遺体のCT検査は保険請求者側の負担。結果もあくまでも推測の範囲と保健会社から突かれて支払われない例が大勢だ。かように浴槽死の悲劇に伴う意外な負担や不測の落胆は少なくない。まだ寒い季節が続く、湯温41℃以下/浸かるのは10分未満を守ろう。
(文=編集部) 

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