医療ドラマ『フラジャイル』第5話のモデルとなった実話~患者の本音を訊くということ

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ドラマ『フラジャイル』(フジテレビ「見逃し配信」より)

 2月10日放送の医療ドラマ『フラジャイル』(TBS系)第5話は、すでに全身転移をきたした「副腎外褐色細胞腫」を患う若き男性を軸にストーリーが展開した。彼女もいない、やりたいこともない、あと1年と宣告された余命をどう生きたらいいかわからない、“諦めた”人物として描かれていた。

医療保険が適応されない高額な薬

 副腎外褐色細胞腫は「パラガングリオーマ」ともよばれ、通常は良性だが、ときに低悪性度腫瘍の形を取る。増殖の遅い低悪性腫瘍であるため、化学療法や放射線治療は効かない。手術が唯一の確実な治療だが、あちこちに転移してしまうと、治療法がなくなってしまう。こうした事実は、ほかの低悪性度腫瘍にも共通する。

 褐色細胞腫は、副腎髄質細胞に由来する低悪性度腫瘍だ。しばしば副腎髄質ホルモン(アドレナリンやノルアドレナリン)を腫瘍細胞が産生するため、発作性の高血圧を伴う。副腎外褐色細胞腫でもホルモン産生を示すことがあるが、その頻度は低い。今回のドラマに登場した患者も、高血圧などの随伴症状はなかったようだった。

 ホルモン産生を示す「機能性内分泌腫瘍」の場合、「オクトレオチド(商品名:サンドスタチン)」という「ソマトスタチン受容体拮抗薬」が治療に使われ、医療保険が適応される。オクトレオチドの効果は、腫瘍の縮小よりは、ホルモン過剰症状を抑えることが主体だ。

 だが、機能性腫瘍でない場合は、医療保険が適応されない。仮に使用した場合、オクトレオチドを自費で支払わねばならない(薬代は約20万円/月)。日本では混合診療が認められていないため、もし保険適応外のオクトレオチドを使う場合、入院費用全額が自費となってしまうのが現実だ。

 そのため、大学病院などの大病院では、なかなか治療に踏み切れない。

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堤寛