認知症になったとき、きちんと自分を守れる後見制度とは何か?

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あなたは認知症になっても安心して生活できますか?shutterstock.com

 少子高齢化社会と言われて久しい。2016年には団塊の世代(1947~51年生まれ)の人びとが65歳以上となり、高齢化がいよいよ顕著となる。全員が“ピンピンコロリ”で死ぬわけではない。その多くは健康を損なってから亡くなるまでの間にある程度の時間的なズレが生じることになる。

 WHO(世界保健機関)の調査によると、男性の平均寿命は79.55歳。それに対し健康寿命は70.42歳である。同様に女性は平均寿命86.3歳に対し健康寿命は73.62歳である。つまりは、身体が不自由になったり認知症になったりと、健康状態を失ってから亡くなるまで、男性は9.13年、女性は12.68年の時間があるということだ。この間、ひとりで生きることが難しくなり、子どもや親戚、医者や介護ヘルパーなど、他者の助けを借りて生きていくことになる。
 
 この時期において、さらに深刻なのが認知症の問題だ。厚労省の2012年の調査によると、65歳の人口2874万人のうち、認知症患者の数は約439万人で、正常と認知症の中間状態の人も含めると約819万人、つまり高齢者の約4分の1の方が、健常者同様の判断ができない状態だということだ。しかもこの割合は今後の急速な高齢化にあわせ、ますます増えていくことが予想される。

 自分が認知症になったときに誰が自分の安全で快適な生活を保障してくれるのか?

認知症患者のわずか4%しか利用していない後見制度

 こうした本人の判断能力が喪失したり危うくなった場合、民法では、後見人と呼ばれる人が本人に代わって財産管理や身上監護などのお世話をする「後見制度」がある。ちなみに身上監護とは、被後見人が適切に生活できるように、介護保険や病院などの「身の上」の手続きをすること。

 この制度は現実的にどれほど活用されているのか? 制度の普及を進めながら第三者による意思登録サービスと後見人の紹介や後見事務の支援サービス事業に取り組んでいる「一般社団法人あなたの後見人」の理事長・表宏機弁護士に話を聞いた。

「認知症を患っている約439万人のうち、後見人をつけているのは約18万人にすぎません。後見制度はあまり知られていないのが現状です」と表理事長。

 もともと認知症になった場合に、どんなことができなくなるかという具体的なイメージを知らなければならない。次のようなことができなくなるのだ。
・銀行預金の引き出しやお金の振り込み
・クレジットカードや現金を使った買い物
・自宅や駐車場など不動産の賃貸
・切符の購入
・介護保険サービスの契約
・定期預金の解約や保険金の請求や受け取り
・相続手続き
・株の売買
本人の意思確認ができなくなると、こうした法的な手続きをどうするのかが大きな問題になってくる。
 
 さらにこうした状態の高齢者を犯罪者が付け狙ってくるという問題もある。事実、オレオレ詐欺や振り込み詐欺、送りつけ詐欺といった高齢者を狙った詐欺の高齢化が進むのにあわせて増加している。消費者庁の調べによれば、消費者相談件数は2007年を100%とすると2012年には134.7%となっている。
高齢者に対する虐待や認知症ドライバーによる事故も社会問題化している。

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