恐怖映画を観ると「血が凍る」は事実! 危険な状況下での失血に備える身体反応!?

この記事のキーワード : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 「いってみれば、ホラー映画は精神の血抜きをする床屋のようなものだ」と書いたのは、あの『シャイニング』などで知られるホラー小説の巨匠スティーヴン・キング氏だ。彼の稀なノンフィクション本『死の舞踏』(安野玲・訳)にはこんな言葉もある。「ホラー映画は奇形を讃えているわけではない。奇形についてくり返し語ることによって健康と生命力(エネルギー)を讃美する」、けだし名言。今回の実験結果も健常人の証しだろう。

 また、究極のサバイバル映画『127時間』(2010年作品)の試写会で失神者が続出した際、現地の神経科部長がこんな談話を残している。

 「映画を観て失神する人は、献血の際などにも失神経験のある人も多いんだ。似たような反応は自然災害など極度のストレス下でも起こり得るし、重要な臓器にアドレナリンのような化学物質が放出される。しかも短期的かつ大量に放出されると心拍のリズムがおかしくなり、死に至る場合もあり得るよ」

 今回のオランダでの実験では、双方の鑑賞例でも「その他の血餅をつくるタンパク質(=トロンビン-アンチトロンビン複合体、Dダイマーなど)に対する影響は見られなかった」と報告されている。つまり“恐怖”は血液凝固のきっかけにはなるものの、血栓などを形成する原因にはならない事が示唆されたというわけだ。

 Nemeth氏らはこう結論づけている。「われわれが突然の恐怖に直面した時の血液凝固反応は、危険な状況下で失血した場合に備えて、身体を準備させるものなんです。そういうかたちで進化上、重要なベネフィットがあったと考えられます」

 しかし、血友病患者の止血方法は未だに開発途上である……。
(文=編集部)

睡眠障害治療の新たな幕開け!個人に必要な睡眠の「量」と「質」を決める遺伝子を探せ
インタビュー「睡眠障害治療の最前線」後編:筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構・佐藤誠教授

前編『『人間の「脳」は7時間程度の睡眠が必要! 本当のショートスリーパーは100人に1人程度!?』』

ひとくちに睡眠障害といっても、さまざまな症状がある。1990年代後半から脳内に眠気を誘う「睡眠物質」を探す研究にスポットライトが当たり、2018年からは睡眠の質と量を決める遺伝子の解析も進められている。今回は睡眠障害について、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の佐藤誠教授に話しを聞いた。

Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

医療法人社団 三喜会 理事長、鶴巻温泉病院院長。…

鈴木龍太

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法…

郡司和夫

小笠原記念札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認定クリ…

横山隆