プロバイオティクスのエサとなるプレバイオティクス
プロバイオティクスによく似た言葉で「プレバイオティクス」という言葉がある。これは、1995年にイギリスの食品微生物学者グレン・ギブソン(Glenn R. Gibson)らによって提唱されたもので、腸内に棲んでいる有用菌のみが増えることを促し、なおかつその活性化を高めて宿主の健康に有利に働く非消化性(消化しづらい)の食餌成分と定義されている。これを具体的にいうと以下の通りになる。
▶︎食道や胃、十二指腸などの上部消化管の消化酵素で分解されずに腸まで達する
▶︎プロバイオティクスのエサとなって善玉菌を増やす
▶︎腸内の有害な菌の増殖を抑える
その結果、腸内の環境が改善されて、健康の増進に役立つといった性質を持つ。つまり、プレバイオティクスは乳酸菌などのプロバイオティクスと一緒に摂取することで、プロバイオティクスの人体への有用な働きをさらに高める働きをする。
代表的なプレバイオティクスは、オリゴ糖や食物繊維だ。乳酸菌とともにオリゴ糖や食物繊維をとることで、より腸内環境が整い、健康が増進されるということで、今、プロバイオティクスとともに注目が集まっているのだ。ビフィズス菌を含む乳酸菌を摂取するときに、ぜひ、こういったことを意識しておきたい。