約5300年前の凍結ミイラ「アイスマン」もピロリ菌に感染! 人類史の解明につながる発見

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 厄介なピロリ菌だが、服薬で除去できる。薬を飲む期間は1週間ほどだが、除去できる人は8割程度だという。とはいえ、除去できなくても、それほど深刻になる必要はない。ピロリ菌に感染している人は、炎症はおきているもののすべての人が潰瘍やがんになるわけではないのだ。

 アイスマンも、胃の組織からは、炎症が起きたときにできる複数のタンパク質が見つかり、炎症を起こしていたと推定されるが、胃の中には大量の食べ物が残っており、食欲不振に陥るほどの重症ではなかったようだ。

 また、アイスマンから見つかったピロリ菌の全ゲノムが解析され、それによると、現代のインド地域で見られる菌とよく似ているという。現在のヨーロッパ人の胃に棲みついているピロリ菌は、アジアと北アフリカとの混成だが、アイスマンの時代には、アジアタイプだったわけだ。そこで、アフリカ人がヨーロッパへ渡ったのは、アイスマンの時代より後だと推測することができる。ピロリ菌から、人類の歴史もわかってしまうのである。
(文=編集部)

バナー1b.jpeg
HIVも予防できる 知っておくべき性感染症の検査と治療&予防法
世界的に増加する性感染症の実態 後編 あおぞらクリニック新橋院内田千秋院長

前編『コロナだけじゃない。世界中で毎年新たに3億7000万人超の性感染症』

毎年世界中で3億7000万人超の感染者があると言われる性感染症。しかも増加の傾向にある。性感染症専門のクリニックとしてその予防、検査、治療に取り組む内田千秋院長にお話を伺った。

nobiletin_amino_plus_bannar_300.jpg
Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

あおぞらクリニック新橋院院長。1967年、大阪市…

内田千秋

(医)スターセルアライアンス スタークリニック …

竹島昌栄

ジャーナリスト、一般社団法人日本サプリメント協会…

後藤典子