晩婚時代の分娩の事例を数多く見ている井上レディースクリニック(東京都立川市)の井上裕子院長は、40代女性に多い尿失禁の原因は、「お産の仕方にも問題がある」と指摘する。
同クリニックの分娩件数は、年間で約500件にもなる都内有数の産院だ。ここでは35歳以上の高齢出産が40%を占める。
「40代の初産は当たり前の時代。だからこそ体のケア、予防医学が大切になってくるのです。自然分娩志向も結構ですが、骨盤底筋が伸びきってしまうようでは元も子もありません」と話す。
また「予防医学の観点から言えば、まずは分娩に耐えうる体づくりをすること。栄養バランスのよい食事、適度な運動は、月並みだけれど後々体に負担がかからないためには必要です」とアドバイスする。
これから出産を考えている人は心にとめておきたいことだ。特に高齢出産の人は、産後すぐに「骨盤底筋エクササイズ」を始めたほうがいい。
エクササイズの方法は以下の通り。仰向けに寝て膝を曲げて脚を開く。10秒程度腰を上げ、肛門筋と骨盤底筋を締める。これを10回程度、毎日継続してみよう。椅子に浅く腰掛け、尿道と肛門を締めるなども有効だ。
すでに尿漏れに悩んでいる人も、軽度の緩みなら「骨盤底筋エクササイズ」で改善できる。
(文=編集部)