病原菌に感染していると色が変わる絆創膏〜身近な医療品が次々にスマート化

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 そういえば今秋は我が国の研究者たちも「フレキシブル体温計」を開発。これは、ぐにゃりと自在に曲がり、さながら“絆創膏のように貼って使える”という斬新な体温計である。東京大学大学院工学研究科のグループが3年以内の実用化を目指しているもので、約15μmの薄くしなやかなプラスチック製の温度計をフィルム基盤上に印刷プロセスで作るもの。測定感度も高く(=0.02℃)、応答速度も高速(=100ms)、現況でも2000回前後の測定に再現性を保持しており、さらなる性能の向上をめざしているそうだ。

 用途としては赤子の体温をモニタリングして体調の変化を迅速に察知。あるいは術後の患部に絆創膏状に貼って炎症の発熱を測定したりという使い方などが想定されている。さらに薄さや軽さやしなやかさ、生体組織の温度分布などがモニタリングできるという特性から新素材系スポーツ衣料やウエアラブル系の商品開発への応用も十分考えられるだろう。

 かように身近な医療品のスマート化が続く昨今だが、新春直前の決定打的な開発報が「衛生の未来を塗り替えるか!」と注目を集めているスマート傷包帯(smart wound dressing)の話題。MIT(マサチューセッツ工科大学)機械工学部の准教授が開発した最新ヒドロゲル(=大半が水で出来たゴム状素材)の強靭さを応用したもので、この超旧来型は金やチタンやアルミニウム、あるいはガラスやシリコンやセラミックスとも強固に結合できるという。

 しかも剛性ばかりか柔らかさとしなやかさを兼ね備えている特性から、肘や膝などの曲げ伸ばし部位でも動きに合わせて伸縮自在。ヒドロゲルに埋め込み可能な諸々の機器(半導体チップ、LED、電導ワイヤー、温度センサー……)の機能を損ねる危惧も解消できるとか。従来のヒドロゲルは脆弱性や伸縮・結合力の面でも不安視され、分解可能な生体適合物質としてのみ用いられてきたという。が、早くもこのスマート傷包帯の(ヒドロゲル)マトリックスが体の表面ばかりか体内活用される可能性を謳う科学誌の記事も載せられ、かの映画『ミクロの決死圏』を彷彿させる。2016年は「衛生の夜明け」元年となるのか!?
(文=編集部)

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