国際的な共同研究の分析結果で、ストレス誘発性心筋症(broken heart syndrome)の被験者は大半(81%)が閉経後の女性だとか。Kurrelmeyer氏の「子育てを終えた50代後半から70代半ばの女性が最も多い」という証言とも一致する。
50歳以下の女性(8%)よりも、男性(11%)が多いのは、“クッキング・パパ症候群”が地球レベルで増殖中!? それは冗談としても、同調査では治療時の患者の87%に心電図(ECG)の異常が認められたそうだ。
ストレス誘発性心筋症は、ストレス・ホルモンによって左心室の機能が弱まった時に起こる心筋症の一種。発症すれば心臓の尖端部が動かなくなり、心臓のかたちが蛸壺状に見えることから、別名「たこつぼ(型)心筋症」とも呼ばれているが、最初に報告された例(1990年)は日本だった。
近年はパーリーピーポー級まで成熟してきた日本の社交事情だが、実態はパーティー準備よりも連日の「ママ友ストレス」を抱えて悩む女性陣が少なくないのではなかろうか?
「休日には多くの女性に急激な血圧上昇がみられ、胸痛・動悸・脳卒中のリスクが上昇します。高血圧の既往がある女性にストレスがある場合は、厳密なモニタリングが必要です。感情的・肉体的なストレスを受けた後、胸痛や息切れで発症する可能性がありますから」と、米国事情を語るKurrelmeyer氏。
大半は降圧作用のあるβ遮断薬やACE阻害薬などの薬剤で治療できるので「症状があれば心エコー(心臓超音波検査)を行なうことが重要」。そして休暇中は「自分の時間を作り、ストレスを解消するようにすべき」と助言している。
(文=編集部)