2004年以降、公立の小・中・高生では「9年間で5倍増!」というアナフィラキシー発生結果もある(文科省調べ)。すでに文科省は、アレルギー疾患に関するガイドラインを作成して、全国の小中高等学校に配布、厚生労働省が保育園用のものを用意した。
こうした対策のひとつが「学校生活管理指導表」の導入だ。個々の児童・生徒が、どのような食材にアレルギーがあり、過去にどんな症状が出たかを医師が記入し、保護者から学校に提出してもらうというもの。しかし、こうした対策が功を奏するためには、やはり日常的な親の観察と危険に備える意識が不可欠。
前掲のアドレナリン自己注射が日本で保険適用となったのは2011年9月だが、認識不足からその浸透度は低い。
アナフィラキシーの原因となる食物で日本人が多く口にしているものの代表格は卵・小麦・乳製品・甲殻類・果物・そば・魚・ピーナッツ…等々。営林署・林業・農業従事者あるいはゴルファーなどが見舞われる蜂毒アレルギーでは年間20人程が亡くなり、その大半が40歳以上の男性陣とか。今回の美香さんは咳止め薬の服用でさえ注意が必要と教えてくれている。
(文=編集部)