福祉車両は高齢化社会の必需品! 税制優遇措置でさらなる普及が見込まれる

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さまざまな機能を備えた福祉車両が登場(shutterstock.com)

 車椅子ユーザー、そしてその家族にとって、常に問題となるのが「移動手段」だ。自宅から駅に向かう途中にある道路の段差。駅に到着しても、どこにエレベーターがあるのか? あるいは、ないのか? 車椅子で入れるトイレはどこにあるのか?

 マスメディアで取り上げられる、こうしたバリアフリーの諸問題は、実は交通インフラが整った都市に暮らす車椅子ユーザーに深く関わっている。日本社会で公共交通機関が整備されているのは、東京、名古屋、大阪など、一部の大都市だけである。ほとんどの街では、移動の手段は、いまも、そしてこれからも、自動車だ。車椅子ユーザーとその家族にとって、自動車で移動できるかどうかは、まさに死活問題といえるだろう。

日本は福祉車両の先進国

 車椅子ユーザーにとって、福祉車両は移動のための解決策の一つ。しかし、その利便性と快適性、購入にあたっての税制優遇措置などは、広く知られているとは言えない。

 テレビコマーシャルで福祉車両が宣伝されることは、ほとんどない。たしかに、自動車全体の売上からいえば、福祉車両のマーケットは小さい。しかし、その市場は、じわじわと右肩上がりだ。背景には、日本社会の高齢化がある。高齢社会は障害者中心社会であり、バリアフリー社会にならざるをえない。そのとき、移動の主役が福祉車両になるのは必然である。

 自動車先進国の欧米には、福祉車両についても先進国というイメージがあるが、実は日本のほうが先行している。事実、日本の自動車メーカーのほとんどが、福祉車両を製造販売している。一方、輸入車の代表格であるベンツやBMWは、福祉車両の製造販売はしていない。自動車の内装や架装を専門とする業者が、その車体に車椅子の取り付けができるように改造するというのが一般的だ。

 日本国内でも、キャンピングカーの内装架装を専門とする企業の一部で、福祉車両のオーダーメイド架装を行っている。日本の自動車メーカーが販売する福祉車両よりも、もっと自由度の高いカスタムメイドを求める人は、こちらにオーダーをしている。

 身体障害の度合い人それぞれであり、多様性がある。上半身が不自由な人、下半身が動かない人、全身麻痺の人。福祉車両には、こうした人たちを送迎する家族などの使い勝手や、一般的な自動車にはない車室空間を作ることが求めれる。

 そのため自動車メーカーは、創意工夫をしてきた。下半身が動かない人が助手席や後部座席に車椅子から乗り移るために、「回転(スライド)シート車」が開発・商品化されている。リフトのようにシートが車外に出ていき、車椅子からシートに乗り移る。なめらかな動きは、さすが日本の自動車メーカーの技術だ。また、複数の車椅子ユーザーが移動するために、ワンボックスカーの後部座席を改装することも対応できる。バックドアからスロープで乗り込むか、バックドアからリフトがでてきて車椅子がそのまま車室に入ることも可能だ。

 こうした多種多様な技術を日本の自動車メーカーは用意している。

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