厚生労働省が、「ニコチン依存症」治療の保険対象に20代の患者も含めるかを検討している。ニコチン依存症は、タバコのニコチンが切れるとイライラしてタバコを吸いたくなる。従来の禁煙は意志の強さが求めてきたが、処方薬の登場によって治療の成功率は飛躍的にアップ。禁煙外来を掲げる医療機関も増えた。
2006年度から診療には保険が適用されるようになったが、対象は1日の喫煙本数と喫煙年数をかけた指標が200以上の患者に限られている。そのため、厚労省によると20代の依存症患者の約8割が対象外になるという。
保険適用なら患者の自己負担は原則3割。厚労省は将来の医療費削減につながるとして、10月21日の中央社会保険医療協議会(中医協)で提案した。
その一方で、選挙権年齢を20歳から18歳以上に引き下げる改正公職選挙法の成立を受け、与党・自民党の成年年齢に関する特命委員会は、飲酒、喫煙の解禁年齢も18歳に引き下げるよう政府に求める提言案を示した。
さすがに、取りまとめを目指した会合では異論が噴出し、了承を見送り提言案を作り直すことになった。そもそも、こうした内容が原案に盛り込まれること自体がナンセンス。何をかいわんやだ。政府は財政再建という錦の御旗を振りかざし、社会保障費の削減を進めており、議論の浅はかさを感じる。
(文=編集部)