トランス脂肪酸の全面禁止のメリットとは? 英国では最大約489億円の経済効果!?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 トランス脂肪酸の摂取量と冠動脈疾患による早期死亡は、社会経済的に最も恵まれていない階層で多いことが知られている。先のイギリスでの研究によると、①加工食品へのトランス脂肪酸の使用を完全禁止すれば、最下層の人たちの冠動脈疾患死亡が約3000例(15%)減少できることが示され、経済的な格差による不平等がなくなるという。

 さらに医療費を含めた社会経済への影響も、トランス脂肪酸使用の全面禁止が良好だった。最も厳しい条件で計算をした場合でも、医療費負担の軽減額が規制の実施にかかる社会的費用の増加額を上回り、6400万ポンド(約118億円)のコスト削減に。楽観的な計算では約2億6500万ポンド(約489億円)にもなるという。

 ちなみに②食品表示規制では最大で2190万ポンド、③レストラン規制は0ポンド、④ファストフード規制は1250万ポンドという予測になり、やはり全面禁止がいちばん「お得」なことが示されたのだ。

 研究者は、「イギリスにおいては加工食品への使用を全面禁止する方法が、健康面と経済面に最も大きな利益をもたらす。産業界に自発的な改善を望むだけでは、双方にマイナスの影響を与え続けるだけだ」と指摘。イギリスでも全面禁止は技術的に可能であると結論づけている。

 翻って日本ではどうか? まだトランス脂肪酸を表示項目として追加するか検討している段階で、現在は何の規制もない。背景には、日本人のトランス脂肪酸の摂取量が欧米より少ないこともある。トランス脂肪酸が使用禁止となれば、製造コストがかさむため食品加工業界から強い反発があるだろう。

 しかし、社会全体への影響を考慮した場合、本当に何もしないのが得策なのだろうか? 日本でも今回のイギリスの研究のように、データに基づいた科学的な分析と検討を望みたい。
(文=編集部)

胃の不快感の多くは実は「機能性ディスペプシア」という病気
日本初の『胃弱外来』開設」後編:巣鴨駅前胃腸内科クリニック・神谷雄介院長

前編『大病院を転々した末にたどり着く「胃弱外来」 初診から約1カ月で8割の患者の症状が改善』

胃痛やもたれ、むかつきなどの症状があっても、検査の結果異常がないと診断され悩みを抱える患者さんが少なくない。こうした胃の悩みを抱える人たちのために開設したのが胃弱外来。患者さんの多くは新しく認知された『機能性ディスペプシア』や『胃食道逆流炎症』などの疾患だ。その具体的な治療法について話を伺った。

Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

くにたち駅前眼科クリニック院長。1986年、東京…

高橋現一郎

近畿大学理工学部生命科学科ゲノム情報神経学准教授…

西郷和真

フィットネスアドバイザー。JT東京男子バレーボー…

村上勇