民主主義をダメにする、こころに「分裂」を抱えた「ナルシシスティック・パーソナリティー」!?

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日本国民は「どっちだっていいや」というニヒリズムに取りつかれている!?(shutterstock.com)

 ナルシシズムの発達に問題があるパーソナリティーは、ナルシシスティック・パーソナリティー(自己愛性格)と呼ばれる。このパーソナリティーの持ち主には、さまざまな特徴があるが、その一つはこころの中にたくさんの分裂(split)を抱えていることだ。

 人は、同一の対象に対して異なった考えや感情を抱くことがある。例えば、エディプス・コンプレックスは父を愛おしく思い、父からの愛を求めるこころと、父に強烈な殺意を向けるほどの憎しみを抱くこころとの葛藤を抱く構造を示している。そこには苦悩が存在するが、その苦悩を通じて、他でもない自分なりの、父についての考えや感情を抱くようになる。そのようにして把握されるに至った父は、現実的な父親である。

「日本は素晴らしい」と「日本ってダメだ」に葛藤を起こさない

 ナルシシスティック・パーソナリティーの特徴は、そのような苦悩や葛藤を抱かないことだ。それは、こころの中で分裂という機制が多用されていることに由来する。例えば、「日本を愛している」「日本は素晴らしい国だ」というこころと、「日本のことを憎悪している」「日本は劣っている汚れた国だ」というこころは、明らかに矛盾している。

 しかし、ナルシシスティック・パーソナリティーでは、この二つのこころが葛藤を起こすことはない。ある場面では、ポッと「日本は素晴らしい」というこころが出てくるし、他の場面では「日本ってダメだ」というこころが出てきて、その場その場でどちらかの考えや感情にのみ込まれてしまい、疑問を抱かない。そのような時にこころが抱く日本像は偏っていて、前者ならば当然美化され過ぎているし、後者ならばやはり卑下され過ぎている。

 ナルシシズムの発達が良い場合には、その両者が葛藤を起こして、その葛藤について考え、現実的な日本像がこころに抱かれるようになる。しかし、脆弱なナルシシスティック・パーソナリティーでは、この両者が葛藤を起こさずに分裂したまま、こころの中に留まることになる。

 なぜ分裂が生じやすいかについて、次のように説明することができる。ナルシシスティック・パーソナリティーの場合には、自分の同一化している対象についての好ましくない面を認識することが引き起こす痛みに、耐えることができない。だから、そのような体験については、こころの外に押し出してこころを守ることに、精一杯になるからだ。そのようなこころでは、排泄したはずの悪い対象がこころの中に戻ってくることが、おそろしい混乱を引き起こしてしまう。

分裂によって正確に考えることが困難になる「日本的ナルシシズム」

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