骨粗鬆症は、日々の食事や運動の影響も大きく受けるため、「骨の生活習慣病」ともいわれている。その予防や治療は、基本的には男女とも同じだ。予防は食事・運動・日光浴が3大原則。タバコや過度のアルコール摂取はリスクになる。
そして、内臓の生活習慣病も骨の生活習慣病も、加齢とともに病気を発症する人が増え、両方の病気を併せ持つ人も少なくない。
骨粗鬆症は、原因によって大きく2つのタイプに分かれる。骨粗鬆症の多くは主に加齢によって引き起こされる「原発性骨粗鬆症」、そして、病気や薬の影響で二次的に起こる「続発性骨粗鬆症」。
続発性骨粗鬆症の場合、まずは原因となる病気の治療や、服用している薬の中止・減量などの検討が必要となる。その原因となる病気のひとつが糖尿病。骨密度が比較的高い場合でも、骨に含まれるコラーゲンの劣化も引き起こすため、骨のしなやかさや強さも失われて骨質が悪くなり、骨折しやすいことがわかっている。
インスリンの働きによって骨量が変わる!
糖尿病では、インスリンが十分に作用しなくなったり、分泌量が低下したりする。実はインスリンは、骨をつくる骨芽細胞を増やす作用もある。そのため、糖尿病になってインスリンの作用が低下すると、骨を「つくる」よりも「壊す」働きの方が強くなり骨量が低下する。
また、食事で摂ったカルシウムを腸管から吸収するのに必要な「活性型ビタミンD」は、インスリンの働きによって腎臓でつくられる。せっかく食事でカルシウムを摂っても、吸収されにくくなってしまうというわけだ。また、高血糖の状態が続くと、尿の量が増えてカルシウムの排泄量も増える。
ご存じのとおり、運動療法は糖尿病治療の有力な手段。運動が骨粗鬆症を予防する有効な手段だとすれば、続発性骨粗鬆症の改善という相乗効果をもたらすことになる。
(文=編集部)