スクワットで骨密度がアップする!? Syda Productions/PIXTA(ピクスタ)
運動は中年男性の骨の健康を改善させる――。米ミズーリ大学コロンビア校栄養・運動生理学部の Pam Hinton氏らの研究によると、「運動」が骨量の減少した中年男性の骨の健康を改善させ、骨粗鬆症のリスクが低減する可能性があるという。
骨粗鬆症とは、加齢とともに骨に小さな穴が多発し、もろく、折れやすくなる病気。骨粗鬆症は"女性の病気"という印象が強いが、男性でも、年をとったり、さまざまな病気が原因でなりやすくなる。男性の場合は、加齢に伴い自然に骨量が減少し、骨粗鬆症リスクが生じる。米国では約1600万人の男性に骨量減少がみられ、200万人近くに骨粗鬆症が生じている。
『Bone』(オンライン版・6月16日)に掲載されたHinton氏らの研究では、骨量減少があるものの健康で活動的な中年男性38人に1年間、「ウェイトリフティング」または「ジャンプ」のプログラムを行った。いずれの場合も、対象者は週1回、60~120分のトレーニングを行い、カルシウムおよびビタミンDのサプリメントも摂取した。
試験開始時、6カ月目、12カ月目に骨の健康を評価した結果、両グループとも、6カ月目には全身および腰椎の骨量が有意に増加し、12カ月目も維持されていた。さらにウェイトリフティングのグループのみ、股関節の骨密度も上昇していた。
多くの人ができる有効で安全な骨量増加方法
骨量減少以外は健康な中年男性において、骨量増加に運動を用いた介入が有効だと示した研究はこれが初めてという。Hinton氏は「骨は"機械的負荷"がかかった箇所のみが強くなる。そのため、股関節と脊椎に負荷をかけるスクワット、デッドリフト、ランジ、オーバーヘッドプレスをしてもらった。また、筋力をつけるために負荷を徐々に上げ、骨の反応を最大限にし続けるため休養の週も設けた」という。
さらに「これらの運動は、有効かつ安全で、たいていの人が実行でき、自宅でも行える」と評価している。