昏睡強盗の被害にあった道端ジェシカさん(公式ブログより)
先日、モデルの道端ジェシカさんが、夫や友人たちと共に休暇を過ごしていた南フランスのサントロペにある貸別荘で、とんだ盗難被害に遭ったことが報じられた。盗まれたのはF1レーサーである夫ジェンソン・バトンさんがジェシカさんに贈った25万ポンドの婚約指輪をはじめとした物品で、合計で30万ポンドにも上ったという。日本円でいえば、総額約5900万円である。
この盗難被害で怪我をした者はいなかったというが、特徴的なのは、ジェシカさんを含む別荘にいた人たちがみな、昏睡状態にさせられたことにある。犯行は2人の男によって行われ、エアコンから催眠ガスを流し、全員が意識不明になった隙に行われたという。この催眠ガスによる強盗事件は、フランスやスペインなどで多く起きているそうだ。
しかしながら、一部の報道では、本当に催眠ガスが使われたかどうかは疑わしいとする説もあり、血液検査の結果が気になるところである。
強盗が使う催涙スプレー
道端さんの事件で本当に催眠ガスが使われたかどうかは定かではないが、催眠ガスのほか催涙スプレーやスタンガンを用いた強盗は少なくない。なかでも多いのが、催涙スプレーによる被害だ。今回は、催涙スプレーの被害を受けた際の対処法について解説しよう。
催涙スプレーを使った強盗事件は、日本でも実際に起きている。例えば、2014年に東京駅で男性会社員2人が強盗2人組に催涙スプレーをかけられ、目を痛めたり、軽傷を負ったりした事件がある。会社員が抵抗したため、強盗は狙いだったスーツケースは奪わず、代わりに催涙スプレーをかけて逃走したという。
催涙スプレーとは、OCガス(Oleoresin Capsicum)と呼ばれる「カプサイシン」が主成分のスプレーで、「トウガラシスプレー」、「こしょうスプレー」という俗称を持つものである。現在は、チリペッパーから抽出されたトウガラシと、化学薬品を混合させたものが主流になっているという。安全性が高いため、海外の警察では凶暴な容疑者などに対して、頻繁に使用されているそうだ。一見、身体に優しいように思えるが、実際浴びてみると、とにかく苦痛が激しいのだという。
催涙スプレーをかけられると、目が明けていられなくなったり、スプレーを浴びた皮膚がひりひりしたりする。しかもそれが長時間続く。ただし、催涙スプレーはその場では激痛を感じて動けなくなるが、後遺症がないというのも大きな特徴だ。