雇用ニーズの環境変化もある。
男女雇用機会均等法が制定されてから30年。雇用における男女差別の撤廃というテーマがようやく社会経済の表舞台にあがった。採用や処遇面での局地的な前進はあったものの、母性保護などの支援ではむしろ極端に後退した。雇用環境での男女平等は"なお道遠し"、課題は山積している。
女性の働き方が"男性化した"に過ぎないからだ。男社会における、これまでの働き方とシステムに対して、是非を問い、それを正すことなく、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」の向上はない。
均等法の轍を踏むな! 介護を変えるのは男性
男性の介護環境も、まったく同じ構造を抱えている。男女が共に介護を担う時代では、家族と自分の老後を安心して託すことができる、新しい介護のスタイルとシステムを創造していくことが必要だ。
女性が「男性のような働き方」に異議申し立てたように、男性介護者もこれまでの介護に疑問をもつべきである。無償かつ無制限・無限定な、家族介護労働をなぞっていくだけでは、決して解決しない。
すべて団塊世代が後期高齢者の仲間入りするまで、あと10年。介護と共生可能な社会モデルの実現を目指す、私たちのチャレンジは続く。