医療ドラマ『死の臓器』で小泉孝太郎が直面した現実とは何だったのか?

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日本発のレストア腎移植はどこへ向かうのか?

 wowowの医療ドラマ『死の臓器』(主演/小泉孝太郎)の最終回が8月9日に放映され、移植医療に対する関心を引き起こした。しかし、実際に臓器移植を待つ患者は、「表面的で待機者の切実さがまったく伝わってこなかった」と語る。移植用の臓器不足は世界のどの国でも事情は同じだ。

 米国で次のような研究が行われた。脳死したドナーの体温を下げることにより、移植される腎臓の機能を向上できる可能性があるという。「New England Journal of Medicine」7月30日号で報告されたこの方法は、「世界のどの国でも、コストをかけずにできる簡単な措置だ」と、研究を率いた米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のClaus Niemann氏は述べている。

 米国保健社会福祉省によると、腎移植は生きたドナーから提供を受ける方が成功率が高く、移植した腎臓が5年後も機能している確率は、生きたドナーの場合は約80%であるのに対し、死亡したドナーでは67%であるという。今回の研究は、死亡したドナーからの移植でよくみられる臓器移植後臓器機能障害(DGF)のリスク低減を目指したもの。DGFは移植後の腎臓がすぐに機能しない状態で、患者は腎臓が機能するまで透析を続ける必要がある。

「軽度低体温」処理は、脳死により自然に生じる損傷から腎臓を守るものだと、Niemann氏は説明する。脳死になると、身体がそれに反応して炎症、細胞死、組織を傷つけるフリーラジカルの産生などが起こるが、体温を下げることでこのようなプロセスを遅らせることができるとの仮説に基づき、研究チームは脳死したドナーを標準の方法で管理する群と、軽度低体温処理(34~35°Cに下げる)をする群に無作為に割り付けた。

 最終的に、死亡したドナー370人の腎臓が572人に提供されたが、低体温群の腎臓の機能は有意に良好であり、DGFがみられたのは低体温群で28%、標準移植群では39%であった。60歳以上のドナーおよび50歳以上で高血圧、軽度腎機能障害、脳卒中の既往のあるドナーの腎臓には特に大きな効果がみられ、DGFの発生率が56%から31%に低下した。この試験は、低体温群の腎臓の機能が優れることが明確にされた時点で早期中止された。

移植での臨床研究はドラスチックにならざるを得ない!?

 この研究の付随論説の著者らは、このアプローチにより「ドナーの管理と、移植を受ける患者の転帰が根本的に変わる可能性がある」と述べる一方、注意すべき点もあると指摘する。1つは、低体温処理によって移植患者の長期的な予後が向上するかどうかは明らかにされていないことである。また、低体温処理がドナーの心臓、肺、肝臓、膵臓などの他の臓器に及ぼす影響についても疑問がある。移植医学分野で比較臨床試験を行う基盤も整っていないという。臓器提供の需要は増える一方であり、米国では12万2,000人以上が待機リストに登録されている。

 日本臓器移植ネットワークに登録する腎臓移植待機者は12,496名(平成27年6月30日現在)。しかし、このネットワークを通じて行われる移植は127件(平成26年)に過ぎない。移植までの平均待機年数は、北欧が半年、豪州、米国が3~5年であるのに比べ、日本は約16年とあまりにも長い。しかも新規登録料3万円で、毎年の更新料も5,000円と安くはない。多くの患者は移植の順番を待つうちに重篤化や死にいたってしまう。一部の待機者からは「明らかに会員ビジネス詐欺だ!」との怒りの声もある。

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