ドラマ『死の臓器』武田鉄矢演じる医師のモデルとなった人物の臓器売買疑惑と日本の臓器移植の問題とは?

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 7月12日からWOWOWで始まった小泉孝太郎主演の医療サスペンス『死の臓器』が注目されている。原作は麻野涼の同名の小説で、日曜に5回連続で放映される。テーマとされているのが、臓器売買や移植医療とそれをめぐる医療界の闇だが、実は武田鉄矢扮する医師日野誠一郎にはモデルとなった実在の医師がいる。
 
 臓器売買疑惑~修復腎移植という一連の騒動が実際に起きたのが2006年~2007年にかけて。この騒動で時の人となったのが宇和島徳洲会病院の万波誠医師だった。片田舎の民間総合病院で起きた臓器売買疑惑では、病院と医師の関与は否定されたが、担がん臓器を修復して移植に使用するという医療をめぐり、マスコミ、学会からバッシングの嵐が巻き起こった。しかもその是非をめぐっては未だ宙ぶらりんの状態だ。

 当時、修復腎移植を"殺人罪"であるとまで全面的に否定した日本移植学会の幹部らの主張は、根拠のほとんどが古いものであったり、すでに世界の医学の常識ではないことが分かった。患者団体は、臓器不足の中、修復腎移植という治療を受ける機会を損なわされたとして日本移植学会の幹部ら(当時)に対し損害賠償の訴訟を起こし、これは今も係争中である。こうした経緯は『死の臓器』の原作者麻野涼が別のペンネーム・高橋幸春で出版した『だれが修復腎移植をつぶすのか――日本移植学会の深い闇』(東洋経済新報社)に詳しい。こちらはドキュメントである。

 医療法人徳洲会は、ドナー(提供者)、レシピエント(被移植者)への徹底した説明など、手続き上の問題をクリアし、臨床研究のみで許されている修復腎移植の症例をつみ重ねている。すでに一度、先進医療として申請したが通らず、二度目の申請を準備しているという。この7月8日にも、親族間4例目の手術を実施している。臨床研究は親族間と第三者間の二つがあるため、二つを合わせると16例目となった。

 腎不全で人工透析を受けている妻に腎臓を提供しようとした夫の術前検査で腎臓に小さながんが見つかった。現在の法律では手術は中止せざるを得ない。しかし、臨床研究であれば、その腎臓の病変部だけを摘出し、修復後に移植に利用することが出来る。今回も万波誠医師らが執刀し、ドナー、レシピエントともに術後の経過に異常はないという。

宝くじほどの希望しかない移植希望登録者

 臓器売買や修復腎移植などが注目される理由に、移植用臓器の圧倒的不足がある。日本臓器移植ネットワークのデータによれば、腎移植を希望する登録者数は12,496人(6月30日現在)。対して昨年実際に移植されたのは腎臓単独でわずかに101件、膵腎同時が24件、肝腎同時が2件と少ない。移植希望登録者がこのネットワークからの提供を受けられるのは"宝くじに当たるようなもの"と揶揄される。

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