米国で「トランス脂肪酸」が全面禁止に! 日本は規制どころか表示義務すらない!!

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 アメリカではすでに1990年代後半から、トランス脂肪酸を使った食品には表示が義務付けられていた。「この食品は安いけれど、トランス脂肪酸が含まれていますよ」という情報を発信し、自己責任で摂取を判断させていたわけだ。

 2003年にはWHOが、1日当たりのトランス脂肪酸の摂取量を総エネルギーの1%・約2g未満にするよう勧告。それ以降、アメリカの食品メーカーはトランス脂肪酸を全体で86%削減しているが、それでも平均的な米国人は依然として1日5〜6gのトランス脂肪酸を摂取してきたという。

 そんな状況を改善するために、今回の措置は今までよりも大胆に踏み込んだものとなった。FDAは「この決定によってトランス脂肪酸のさらなる削減が進めば、冠動脈疾患を減らし、致命的な心臓病を年数千件減らせる」としている。

 その一方で、日本ではまだ規制どころか表示すら義務づけられていない。理由は、摂取量がアメリカよりずっと少なく、通常の食生活では影響は小さいと考えられているからだ。食品安全委員会が平成18年度に、国内で流通する食品中の含有量調査と1人当たりの摂取量調査を実施。すると日本人のトランス脂肪酸の摂取量は総エネルギー量の0.3%・1日平均0.7gで、WHOの推奨値を大きく下回っていたという。

 しかし、国が示す摂取量はあくまでも平均値だ。1袋食べるだけでトランス脂肪酸を1g以上摂取してしまうスナック菓子はざらにある。ファストフードや揚げ物中心のコンビニ弁当に頼りがちな若い世代の間では、トランス脂肪酸が総エネルギーの1%を超えるケースも少なくはないはずだ。果たしてそうした人をケアしなくてもいいのだろうか。

 安い外食やテイクアウトお惣菜、スーパーに並ぶ加工食品によって私たちの食生活は便利になったが、現状そのほとんどにトランス脂肪酸が含まれている。若年層の肥満や生活習慣病を防ぐためにも、まずは食品に含有量の表示を義務化することで、消費者自身が選択・判断できるようにすべきではないだろうか。
(文=編集部)

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