シリーズ医師の本音「ドクターズ・ヴォイス」第2回

医者の不養生は本当だった! 30歳代の半数、60歳代では8割以上に持病アリ!

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こんな医者は、もってのほか!!

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 紺屋(こうや)の白袴、髪結いの乱れ髪、坊主の不信心――。どれも自分を顧みるゆとりのない人間のうかつさを嗤(わら)ったものだ。だが、医者の不養生だけは、笑い話では済まされない。患者の生命の手綱を握っているのは、医師だから。

 医師は、何を考え、悩みながら、患者に向かっているのだろう? 患者や家族は、医師に何を期待しているのだろう? 今回は、持病について答えた医師たちの痛々しい実態を見てみよう。

 日経メディカルOnline(2014年6月9日)は、医師2286人を対象に「持病はあるか?」をアンケート調査した。何らかの持病がある医師は67.6%。最も多かった持病は、高血圧536人(23%)、脂質異常症478人(21%)、花粉症などのアレルギー410人(18%)の3大持病のほか、腰痛・関節痛318人、高尿酸血症216人、糖尿病151人、胃炎・胃潰瘍131人、不整脈105人と続いた。持病なしは740人(32%)だった。

なんと30歳代の半数、60歳代の8割以上が持病もち!

 回答の多かった持病の上位5疾患を年代別に見てみよう。

 30歳代(254人)/アレルギー21.8%、腰痛・関節痛10.8%、脂質異常症9.9%、高血圧8.8%、睡眠障害6.6%
 40歳代(732人)/脂質異常症18.7%、高血圧17.1%、腰痛・関節痛14.1%、高尿酸血症7.8%、胃炎・胃潰瘍6.6%
 50歳代(767人)/高血圧31.4%、脂質異常症29.6%、アレルギー15.9%、腰痛・関節痛15.4%、高尿酸血症13.0%
 60歳代(200人)/高血圧52.5%、脂質異常症27.5%、腰痛・関節痛16.5%、アレルギー16.5%、高尿酸血症15.5%

 年代が上がるにつれて、持病ありと答える割合が高くなる。30歳代は約5割、60歳代では8割以上が何らかの持病がある。

 特に30歳代は、花粉症などのアレルギーが多いが、年代を重ねるほど、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病が増える。胃炎・胃潰瘍は、40歳代でのみ5位に入った。働き盛りの40歳代は、多忙もさることながら、病院経営の中枢を担う中間管理職としての精神的な苦労やストレスも重荷になっているのだろうか。

降圧薬の常用者は、およそ8割と目立って高い

 アンケート調査は、持病ありのうち、対象疾患の治療薬の服用状況も尋ねた。高血圧の降圧薬を常用している医師は82.5%、脂質異常症は62.8%、高尿酸血症は58.8%、糖尿病は53.0%だった。

 何種類のクスリを飲んでいるかを世代別に見てみよう。

 30歳代/1種類11.7%、2〜3種類11.2%、服用していない73.1%
 40歳代/1種類17.6%、2〜3種類17.9%、服用していない58.1%
 50歳代/1種類18.4%、2〜3種類27.5%、服用していない41.2%
 60歳代/1種類12.0%、2〜3種類33.5%、服用していない29.5%

 どの世代を見ても、薬物治療に消極的な医師のホンネが窺える。また、世代を重ねるに伴って、1種類と2〜3種類の合計比率が高まり、逆に服用しない比率が低くなっているのが見て取れる。加齢や老化は、薬物依存を招くことにつながっているのだ。

 今回のアンケート調査から、かなりの医師が生活習慣病をはじめ、何らかの重篤な持病を抱えていることが裏づけられた。古今東西、医者の不養生は、残念ながら「健在」であるらしい。ドクター諸氏の健康を祈りたい。
(文=編集部)

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