インタビュー がん治療は第一選択がその後の人生を変える! 第4回 市民のためのがん治療の会代表 會田昭一郎さん

日本初! 市民の手でがんの臨床研究を実現 患者会の新しい姿

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 「こうした状況を打開するには、患者と医療関係者がともに手を携えていくしかない。そこで2013年、『市民のためのがんペプチドワクチンの会』として和歌山県立医科大学を支援し、同大に市民団体では日本初の寄付講座『がんペプチドワクチン治療学講座』を開設しました」

 同大では、消化器系がん研究・治療の国内トップリーダーである外科学第二講座の山上裕機教授を中心に、寄付講座による臨床試験を開始。半年間で、標準治療に行き詰まった難治性のすい臓がんと食道がんの患者を対象とし、24人の患者が参加。

 その中には、製薬企業主導の臨床試験には参加できないHLAタイプ(白血球の型)がA2というタイプの11人もおり、従来は排除されていた患者も含めた治療が行われている。さらに同大だけでなく、北海道から九州までの各拠点医療機関で臨床試験開始に向けた手続きもスタートした。

がんの新薬開発を支援するためLINEスタンプも販売

 市民のためのがんペプチドワクチンの会は寄付を募り、2014年10月から2015年3月分として500万円を寄付講座に贈呈。ただ、寄付講座の維持には年間1000万円、3年で3000万円の費用が必要だ。同会では、2015年9月末までに1500万円の寄付金額目標に呼びかけている。

 現在、同会では活動資金のひとつとして、無料通信アプリ「LINE」のスタンプ「患者の気持ち」を販売。スタンプの第2弾は、和歌山県立医科大学付属病院の職員が、日々患者に接している立場からデザインを考えた。和歌山のパンダを使った親しみやすい絵柄となっており、患者や家族の思いがうまく伝えられるように配慮している。アプリ内スタンプショップで1セット100円(50コイン)で購入できる。
●スマートフォンからダウンロード(「スタンプショップ」で「患者の気持ち」で検索)
●PCからダウンロード http://line.me/S/sticker/1078224

 會田さんは「有効な治療の選択肢をひとつでも増やしたい。最新の治療法を患者自身が選択できる社会を実現したい」と活動への賛同と協力を呼びかけている。


市民のためのがん治療の会 http://www.com-info.org/
一般社団法人 市民のためのがんペプチドワクチンの会 http://www.ccpvc.org/

曾田昭一郎(あいだ・しょういちろう)

市民のためのがん治療の会代表。舌がん治療による体験から最適な治療の選択の重要性に気がつき、2004年、「市民のためのがん治療の会」を設立。セカンドオピニオンの斡旋や、がん治療に関する普及啓発活動、医療環境整備の政策提言などを行っている。2012年、標準治療に行き詰まった患者のために「一般社団法人市民のためのがんペプチドワクチンの会」も設立。がんペプチドワクチン療法の啓蒙活動・情報発信、研究支援のための寄付活動などを行っている。

市民のためのがん治療の会 http://www.com-info.org/
一般社団法人 市民のためのがんペプチドワクチンの会 http://www.ccpvc.org/

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