"スマホに夢中"が「愛着障害」を招き「サイレントベビー」を生む?

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公園でもスマホに夢中のママは珍しくない?

 スマートフォンの普及が進み、いまや国民の半数近くが使用している。大きな利便性をもたらした、超小型PCともいえるスマホだが、社会的な歪みがあちこちに見られるようになった。若年のネット依存傾向には拍車がかかり、常にスマホが手元にないと不安に感じるような、スマホ依存症は300万人近くにのぼるといわれている。

 世界的にもスマホ依存、ネット依存は、使用者の生活に大きな障害をもたらしている。2010年、韓国で両親がオンライン・ゲーム中毒になったために3歳の女児が餓死したケースなどは、そのもっとも極端な例だろう。

 スマホに夢中になっているとき子どもにぐずられ、無意識のうちに怒鳴りつけてしまう――。ボストン大学医療センターの研究では、「親のスマホ依存度が高いほど子どもを厳しく叱責する」傾向があることが報告されている。

 同センターの研究チームは、2013年7月~8月にボストン市内のファーストフードレストランで55組の子ども連れグループの様子を観察。この内の40組の保護者が、食事中にスマホを使用していた。中にはゲームやネットサーフィンに没頭し、子どもや他の家族とはほとんど話をしない人もいたという。

 研究チームによると、スマホに没頭して保護者から放置された子どもたちの中には、親が構ってくれないことを受け入れて一人遊びをする子もいれば、逆に関心を引こうとわざとおどけた行動をとり、叱られる子もいたという。

スマホ・ネグレクトがサイレントベビーをつくる!

 ストレスフルな育児生活に悩む母親は少なくない。公園で子どもを遊ばせておいて、自分はベンチでスマホを操作している母親もよく見かけるようになった。子どもから目を離すどころか、スマホに没頭するママも少なくないようだ。

 つかの間の育児のストレス解消には、ゲームやママ友とのチャットなどスマホは手軽なツールなのだろう。育児ストレスからの回避ができるから、なおさらこの依存症になりやすいといえるだろう。

 子どもが何か見せたくて「ママ、ママ、見てよ」と近寄ってきても、ママはスマホに夢中で「うん、うん、後でね~」と生返事しかしない。そうしたどこにでも見られる行動が、やがてどのような現実を引き起こすのか......。
 
 子どもたちのアクションに生返事でもあればまだいいが、無言でいると子どもはどのように感じるだろうか。子どもへの虐待は、暴力や言葉よるものだけではない。ネグレクト(保護者の怠慢や育児拒否)の一種として、「無視」が挙げられる。

 子どもは親を港と思い、乳児期はその中で穏やかに過ごす。やがて2~3歳になり、少しずつ外の世界に足を踏み出しながら、また港へ戻りを繰り返し、親との良い関係を保ちながら社会に適合する方法を身につけるといわれている。

 母親がいつもスマホに夢中で、赤ちゃんの呼びかけに反応しないでいると赤ちゃんは「自分が働きかけても無駄なんだ」と思い、泣いたりぐずったりしなくなる。このような赤ちゃんに対して「手がかからない良い子」と、そのまま育てていくと笑わない、しゃべらない、無表情な「サイレントベビー」になる。

 このような親子関係は、心理学的には「愛着障害」と呼ばれる。親に無視され続けてきたサイレントベビーは、孤立を好み、人間関係が築けず、強制的に関係を持とうとすると断固拒否するという。こうした障害への治療法はまだほとんど見出されていない。

 もし、親にスマホ・ネグレクトされた子どもが、やがて就学して集団に入るときにどのような行動を見せるだろうか。いわば「幼児時代の人見知り」が生涯続くかもしれない。教育の現場では多動性障害に代わり、この愛着障害の子どもたちが徐々に増加してきているという。人間関係をスムーズに作れない子どもたちは、やがて通学拒否や通学不能となり引きこもりとなるだろう。犯罪にもつながる可能性もある。

 彼らが社会との断絶を選ぶころになって、親が悩み始めてももう遅い。「三つ子の魂百まで」とのことわざに曰く、従来築かれてきた親子関係をスマホが壊そうとしている。
(文=編集部)

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