インタビュー 認知行動療法でメタボを改善する!メンタルダイエット第1回  関西医科大学附属病院健康科学センター 木村穰教授

どうしてダイエットのあとにリバウンドが起きてしまうのか?

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 しかし、食事量を元に戻すと摂取カロリーが消費カロリーをオーバーし、余分なカロリーが再び体脂肪に蓄えられ、太りやすい体質に戻り、リバウンドにつながる。たとえば、筋肉量が1kg減ると、基礎代謝量が1日50kcalも落ちるので、年間で2.6kgも体重が増える計算になる。

 食欲を抑えるレプチンの減少もリバウンドの原因になる。レプチンは脂肪をためている脂肪細胞から分泌されるホルモンに似た物質。レプチンの分泌量は体脂肪量に比例するので、やせて体脂肪量が減るとレプチンの血中濃度が下がり、食欲が出る。強制ダイエットで一時的に急激にやせると、食欲が暴走して過食がちになり、リバウンドにつながる。

 したがって、食事量やタンパク質の摂取量を増やすだけでなく、筋力トレーニングなどの運動をしなければ筋肉量は増えない。しかし、リバウンドで戻った体重を減らそうとして、強制ダイエットを続けると、基礎代謝量がさらに落ちて、やせにくい体質になる。その結果、ダイエットとリバウンドを繰り返すのだ。
次回は、リバウンドが少ない認知行動療法による「メンタルダイエット」の進め方がテーマだ。
(取材・文 佐藤博)

木村穰(きむら・ゆたか)

生活習慣病認知行動療法研究会会長、関西医科大学健康科学科教授、同附属病院健康科学センター長。日本心臓リハビリテーション学会・日本臨床運動療法学会理事。循環器・日本肥満学会認定肥満症専門医。医学博士。1981年、関西医科大学卒業。2009年より現職。著書に「頑張らなくてもやせられる!メンタルダイエット」(ソフトバンク新書)がある。

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