運動と食事の習慣づけのために PIXTA(ピクスタ
「誰かに強制されるのではなく、自分に合ったダイエットを自分で選び、確実にできる目標を立てて、ステップ・バイ・ステップでトライする認知行動療法をベースにしたダイエット法がメンタルダイエットです。心の問題にメスを入れながら、やる気を高め、頑張らないでダイエットを続けられるので、強制ダイエットと比べて約2倍(平均6kg)の減量効果があり、リバウンドが少ない。自分が主体になって減量という行動を起こせるために、体重が減るという成果が表れると、「やればできる!」とモチベーションが確実に強まるのです」と木村教授は奨める。
リバウンドが少ない「メンタルダイエット」の進め方
だれでも自主的に決めたことや、自分に合ったことに対しては前向きに取り組める。「メンタルダイエット」は、どのように進めればいいのだろうか?
ステップ1 思い込みのガードを取り除く
「自分はやせにくい体質だ」「水を飲んでも太ってしまう」「お酒やタバコは絶対にやめられない」など、まったく根拠のない思い込みをまず外そう。
ステップ2 自分の行動パターンを知る
食事や運動の内容・状況、体重、歩数などを毎日記録し、自分の行動や生活習慣のパターンを観察しよう。たとえば、「よく歩いたので体重が減った」と少しでも実感できれば、次の行動の励みになるからだ。お酒やタバコなら、飲みたくなったり、吸いたくなったりする状況がつかめるので、それを避ける方法が分かる。
ステップ3 できることから始める
食事や運動の目標を決める時は、小さなステップを決めて、できること、やりたいことを選ぼう。たとえば、「歩数を毎日記録することだけを目標にする」、「タクシーや自転車に乗らない」、「駅前から少し遠回りして帰る」、「エレベーターやエスカレーターに乗らず、階段を使う」、「1日朝夕で計30分間、ウオーキングする」、「早食いしない、間食をしない、深夜の飲食をしない」など、わずかでも続けられることに絞り込むことがポイントだ。
ステップ4 小さな成果でも大きな「パチパチ!」を
体重にあまり変化がなくても、たとえばウエストの数値が少しずつでも減っていれば、体脂肪量や体脂肪率が減っている証拠。階段の上り下りで息切れするのは、体脂肪が燃えているからだ。運動量が増えると自律神経のバランスがよくなり、血圧も安定し、よく眠れ、集中力も高まる。小さな成果でも続ければ大きな成果につながる。それが「メンタルダイエット」が成功する大きな理由だ。
脱メタボのための行動チェックリスト
以下の項目にチェックが多く入れば、脱メタボの習慣・行動が身についているひとつの目安になる。チェックしてみよう。
食事篇
□生野菜や茹で野菜、野菜の具だくさんの汁物を食べる。
□すぐに食べられる生野菜や茹で野菜を常備する。
□揚げものを食べる回数を週2回に減らす。
□フライドポテトやフライドチキンをサラダやおにぎりに、
清涼飲料水をお茶やミネラルウォーターに替える。
□ファストフードの利用回数を半分に減らす。
□週1・2回の休肝日をつくる。
□低カロリータイプのマヨネーズ、ノンオイルタイプのドレッシングに替える。
□お菓子をヨーグルトまたは果物に替える。
□食事は野菜から先に食べ、腹八分目で止める。
□ひと口20回、よく噛んで食べる。
□夜9時以降は何も食べない。
□夜食をしない。空腹感があれば牛乳100ccだけを飲む。
□家族の食べ残しを食べない。
□家族や友人にダイエット中と伝える。
□冷蔵庫などにダイエット中の張り紙をする。
運動篇
□歩数計をつけて歩数を毎日記録する。
□1日1回体重計に乗り、体重をグラフに記録する。
□毎日20分程度、散歩したり自転車に乗る。
□クルマの移動を自転車に、自転車の移動を徒歩に替える。
□コンビニやスーパーは少し遠い店舗を選ぶ。
□電車やバスは自宅のひと駅手前で降りて歩く。
□ビルや店舗のエスカレーターに乗らず、階段を利用する。
□駅などのエレベータに乗らず、階段を利用する。
□昼休みに10分程度の散歩や軽いストレッチを行なう。
□休日でも1日1回は外出する。
□歯磨きの時に、つま先立ちやスクワットをする。
□テレビは横にならず、座ってくつろいで見る。
□昼寝は15分程度にする。
□休養や睡眠をよく取り、規則的な生活を心がける。
□家族や友人に「体重減ったね!」と励まされたり、サポートしてもらう。
(取材・文 佐藤博)