インタビュー 認知行動療法でメタボを改善する!メンタルダイエット第1回  関西医科大学附属病院健康科学センター 木村穰教授

どうしてダイエットのあとにリバウンドが起きてしまうのか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
new_mentaldiet.jpg

ライバウンドを繰り返すと... hanazono3 / PIXTA(ピクスタ

 年齢を重ねるごとに体重が増える。ダイエットしてもやせない。リバウンドして太る。そんな悩みを抱えて、ダイエットにチャレンジしている人は多い。どれだけ時間やお金をかけても、ダイエットが成功しないのはなぜだろう。食事の摂取カロリーと運動の消費カロリーのバランスに注意するだけでいいのか?そんな気づきからスタートし、個人の心理や性格に目を向け、やる気を高めながら、頑張らないで一生太らない体質をめざすダイエット法が「メンタルダイエット」だ。「メンタルダイエット」は、確実にできる目標を立てて減量する「認知行動療法」を取り入れている。リバウンドを減らし、およそ7~8割が減量に成功しているという。「メンタルダイエット」の進め方について、関西医科大学健康科学科教授で、同附属病院健康科学センターの木村穰センター長を取材した。

肥満は万病のもと

 日本人の男性の3人に1人、女性の5人に1人は肥満。日本肥満学会は、BMI (体重を身長の2乗で割った体格指数)が25.0 以上を肥満としている。40歳以上が受ける「メタボ検診(特定健康診査・特定保健指導)」では、腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上の人は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と診断され、医師の保健指導を受ける。メタボになり、血液中の脂肪値が基準レベルを超えると血管が狭く硬くなり、詰まりやすくなる動脈硬化のリスクが高まるために、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、心臓病、脳卒中につながる。まさに肥満は万病のもとだ。

強制ダイエットは成功しない

 メタボ検診でのダイエット指導は、減量目標を設定する/1日にセーブすべきカロリーを算出する/1日にセーブすべきカロリーを食事と運動に振り分けるの3段階で行なわれ、多くのダイエット法や病院の減量指導は、この流れがほとんどだ。しかし、強制ダイエット(断食ダイエットや置き換えダイエット)は、食事の摂取カロリーと運動の消費カロリーとのエネルギー・バランスの計算だけに目を向け、人間の心理や性格を軽視している。

 「そこにダイエットが成功しない根本的な理由があります。高カロリーの甘いものや揚げ物をガマンし、運動量を増やせば痩せられるはずですが、太っている人は、高カロリー食が大好きで、運動が嫌いな人も少なくないからです。理論的に正しくても、好きな食べ物をガマンし、したくない運動を押し付けられるダイエットは続きません」と木村教授は話す。

*断食ダイエット/毎日1~2食抜くダイエット法
*置き換えダイエット/毎日1~2食を低カロリーのフォーミュラ食(代用食)に置き換えるダイエット法

強制ダイエットがリバウンドするのはなぜ?

 リバウンドを起こす原因は何か?それは、筋肉量と食欲を抑えるレプチンの急激な減少だ。強制ダイエットのカロリー制限では、筋肉をつくっているタンパク質が分解・消費される。その結果、不足したカロリーを補うために、蓄えていた体脂肪が分解されて使われるために筋肉量が減少し、カロリー消費量と基礎代謝量(安静状態で消費されるエネルギー代謝量)が減るので、一時的に体重も減る。

木村穰(きむら・ゆたか)

生活習慣病認知行動療法研究会会長、関西医科大学健康科学科教授、同附属病院健康科学センター長。日本心臓リハビリテーション学会・日本臨床運動療法学会理事。循環器・日本肥満学会認定肥満症専門医。医学博士。1981年、関西医科大学卒業。2009年より現職。著書に「頑張らなくてもやせられる!メンタルダイエット」(ソフトバンク新書)がある。

木村穰の記事一覧

木村穰
がんになってもあきらめない妊活・卵巣凍結 費用は卵巣摘出に約60万円、保管は年間10万円
インタビュー「がんでも妊娠をあきらめない・卵巣凍結」後編・京野廣一医師

がん患者への抗がん剤による化学療法は妊孕性(妊娠のしやすさ)を低下させる。がんにより妊娠が難しくなる患者を支援するため、2016年4月に「医療法人社団レディースクリニック京野」が、治療前に卵巣を凍結して保存しておく「HOPE(日本卵巣組織凍結保存センター)」を設立すると発表した――。医療法人社団レディースクリニック京野理事長の京野廣一医師に卵巣凍結の仕組みについて訊いた。
前編『「がん」になっても妊娠・出産をあきらめたくない女性のための「卵巣凍結」とは?』

2017年4月より、はるひ呼吸器病院(愛知県)病…

堤寛

理学療法士。日本で数年勤務した後、豪・Curti…

三木貴弘

近畿大学理工学部生命科学科ゲノム情報神経学准教授…

西郷和真