連載第2回 ありがとうの心が通う、幸せ介護食

寒い季節の介護では温かい料理が何よりの"ごちそう"

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クリームが利いた優しい味は母の大好物

 ケアマネジャーさんが立てた介護プランに基づき、隔日でデイサービスに通うことになった母。初めのうちは、慣れないのか帰ってきてもしょんぽりとしていた。

 ところが、1カ月ほど経った頃には友だちもでき、行くのを楽しみにするようになった。そして帰ってくると、その日のことをうれしそうに話してくれるのだ。まるで親子が逆転したよう。母が子どもで、私がお母さん。

 「ふぅん、そんなことがあったの」と相づちを打つと、少し出にくくなっている声で一生懸命話す。そんな母の様子を見ると、私もひと安心。

 母がデイサービスに出かけている間は、私にもゆとりができた。一番うれしいのは、寒いからといつも閉め切っていた母の部屋の窓を全開にして空気の入れ替えができること。

 入浴の世話もしてもらえることも、私には大助かりだ。自宅でお風呂に入れるときには、倒れそうになるくらいたいへんだったから。

「おいしい」は作りがいのある言葉

 そんな事情で時間に余裕ができたので、クリームシチューを作ることにした。寒い季節は、温かい食事が何よりのごちそう。忙しいときには市販のルーを使うが、今回は本格的にホワイトソースから手作りした。

 具材は、カキ、ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、短く切ったシメジ。野菜類はどれも十分軟らかくなるまで煮る。カキは煮すぎると硬くなるので、最後に加えてさっと熱を通す程度に。茹でたブロッコリーを彩りに加え、ひと煮すれば完成。母の分は、口の中がやけどをしない程度の温かさにする。

 クリームが利いた優しい味は、母の大好物。「おいしい、おいしい」と言いながら食べていた。食べ終わって「ああ、おいしかった」と言って箸を置く満足そうな顔を見ると、時間がかかってもおいしい料理を作ろうと思ってしまう。「おいしい」は、作りがいのある言葉なのだ。

「カキのクリームシチュー」の作り方

1.ホワイトソースを作る。
2.ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、短く切ったシメジを軟らかくなるまでスープで煮る。
3.2にホワイトソースを加え、10分ほどソースがなじむまで煮る。
4.カキを加える。さっと熱を通す程度。味を確認し、塩味を調整して仕上げる。
5.器に盛ってゆでたブロッコリーを彩りに添える。


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横田節子(よこた せつこ)
家庭料理、介護食研究家。1953年大阪生まれ。2000年秋、同居中の実母が脳梗塞で倒れ、介護のため、自宅での料理教室を閉鎖。2005年、母の介護中、母が食べる様子をヒントに『介護しながら作る介護食』を出版。同書の出版以来、介護食に関する講演、講習会、取材が多数。
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横田節子(よこた・せつこ)

家庭料理、介護食研究家。1953年大阪生まれ。2000年秋、同居中の実母が脳梗塞で倒れ、介護のため、自宅での料理教室を閉鎖。2005年、母の介護中、母が食べる様子をヒントに『介護しながら作る介護食』(日本経済新聞社)を出版。同書の出版以来、介護食に関する講演、講習会、取材が多数。

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