デリケートゾーン・ケアから見えてくる次世代の女性医療の在り方

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デリケートゾーンを考えることは女性の健康を考えること

「デリケートゾーンのケアで肝心なのは㏗値です」と断言するのは浜松町ハマサイトクリニックの吉形玲美医師。

 産婦人科医として女性医療・更年期医療などの分野を中心に臨床と研究に取り組んでいるが、女性特有のケアの一つとして、デリケートゾーンは非常に重要だと指摘する。

腟の免疫力が低下すると細菌性腟炎や性感染症などのリスクが高まる

「日々の診療の中で感じるのは、女性自身がデリケートゾーンのケアに対する知識が間違っていることです。外陰部を何で洗えばいいのかがわからない。ふつうにボディーソープとスポンジを使って体の延長として洗っているのがそもそも間違い。清潔にすることはいいのですが、その洗い方には注意すべき点が多いのです」と吉形医師。

 過剰な洗浄によって本来弱酸性である腟の㏗値が乱れ免疫力が落ちることで 細菌性腟炎やカンジダ症、さらには性感染症のクラミジア、HPV、HIVの感染の危険性が高まる。もちろん不衛生にすれば、様々な雑菌やウイルスの増殖や感染を引き起こしてしまう。とくに妊娠中であれば切迫流産や切迫早産の危険性まで高まるという。

「腟粘膜上皮がターンオーバーするとき、女性ホルモンのエストロゲンが十分に働いていれば細胞の中にたくさんグリコーゲンがつくられ、これが腟の中で乳酸に代わるため㏗値が弱酸性に保たれ雑菌の侵入を防いでいます。ただし、更年期ではエストロゲンが少なくなり自分の力で腟内を弱酸性に保つ力が弱くなります。そんな状況でさらにデリケートゾーンを洗いすぎると日和見感染が増え、粘膜が萎縮したり炎症系のトラブルが起きてしまいます」と説明する。

 さらに、「陰毛については、もちろん長すぎると汚物が絡むのでカットした方がいいと思います。逆に完全に剃毛している場合であれば、感染から守ってくれるバリアがないので、特にデリケートゾーン専用のソープやジェル・クリームでケアしてほしいと思います。一般の洗浄剤はアルカリ性のものが多いのですが、なるべく弱酸性に近いものを選ぶべきだと思いますしジェルやクリームでも㏗値の維持ということに注意してケア用品を選んでほしいと思います」

 生活全般で注意すべきことでは、「締め付ける下着やパンツなどを長時間はかないこと。むれの原因になり細菌が増殖しやすい環境を作ります。また、血液は雑菌が増殖しやすい傾向があるので生理時にはきちんと時間を決めてナプキンを交換した方がいいと思います。またエストロゲンの産生に関係が深いたんぱく質や植物性の良質の油、ビタミンEなどを意識した食事も必要です。過剰なダイエットや偏食はやはりホルモンバランスを乱してしまいます」とアドバイスする。

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