非科学的な報道と限られた専門家たちの方針で歪められたコロナ対策

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どこか滑稽な「ウィズ・コロナ」!?

 いまだに全容をあらわさないこのCOVID-19に、今、世界はどれほどの恐怖を抱き、犠牲を払っているだろうか? 過去のSARS、MERSと比較して致死率の低い弱毒性ウイルスであるにもかかわらず、社会的には非常に強いパニック状態をもたらしている。

コロナの重症化は過剰な免疫反応の結果と理解できる

 オバケが怖いように、正体がよくわからないこのウイルスは、私たちに「誰もが、明日、死ぬかもしれない」という仮想の恐怖世界をつくり出した。その仮想世界をもたらしたのは、一つは「情報」だ。

 毎日欠かさず、紙媒体も、電波媒体も、インターネットも、感染者が増えた、死者が増えたとその数を報道する。当初はそれが「変死」だったり「突然死」として報道された。肺炎だけでなく、血栓症、髄膜炎、脳炎、子どもの川崎病など多様な症状に対して、「奇妙な症状」とか「謎の症状」などと形容した。当然、得体のしれない相手への恐怖は募る。

 しかし、こうした全身に及ぶ多様な症状は、奇妙でも謎でもなく、私たちの体に備わっている免疫細胞がウイルスと戦う時に出す情報伝達物質=サイトカインの働きを制御できず、大量の炎症性サイトカインが生み出されることで起きる症状だということを理解すれば、得体は知れる。

 これを「サイトカインストーム」というが、重症化する人は、もともと自分の体に炎症細胞を抱えている場合が多いということが分かっている。

 たとえば肥満の方には脂肪組織に多くの炎症細胞があるし、動脈硬化を抱えている方は動脈壁に炎症細胞がある。あるいは糖尿病を患っている方は膵臓に炎症細胞があり、慢性閉塞性肺疾患(COPD)では肺に炎症細胞がある。いわゆる生活習慣病のほとんどは臓器に炎症細胞を抱えており、その臓器でサイトカインストームが起きやすくなっている。

 また、サイトカインストームが起きると血小板は凝集しやすくなり、体のいたるところに血栓ができる。それが小さな血管で起これば川崎病のような症状になり、脳の血管で起これば脳梗塞になる。

 つまり奇怪な病ではなく過剰な免疫反応であり、何らかの生活習慣病を抱えている方はリスクが高いので、しっかりと感染防御の意識と行動を取るべき、ということだ。

後藤典子(ごとう・のりこ)

ジャーナリスト、一般社団法人日本サプリメント協会理事長、農医連携ユニット理事
。同志社大学文学部卒業後、編集プロダクションを経てジャーナリストに。政治・経済評論をテーマにした取材・執筆を主軸としてきたが、サプリメントの取材をきっかけに市場の歪んだ情報の蔓延に義憤を感じ、生活者のための公正中立な情報の必要性を痛感。2001年、NPO日本サプリメント協会を発足、中立な情報機関として活動を始める。書籍の発刊や、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど、マスメディアにおいて執筆・評論・コメントを行うとともに、生活者や企業を対象とした講演活動を通じて、ヘルス・プロモーションの啓発に努める。現在、自己健康管理サイト「ヘルスデザイン」をプロデュースするとともに、
農と医をつないで健康と食の問題を検証するプロジェクト「農医連携ユニット」に関わるとともに、
「日本サプリメント協会」を通して生活者の健康リテラシーを向上させるための情報活動を行っている。

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