連載・知られざる漢方薬パワーの実像③

花粉症の根本改善は可能なのか? 漢方薬は花粉症にこう効く!

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花粉シーズンの眠気対策、妊娠中も服用可などメリットが多い

 花粉症の症状だけでも、眠くなったり、集中力が低下しますが、さらに服用する薬の副作用が原因で眠くなることも問題です。鼻水やかゆみは治ったけれど、眠くてだるいのでは結局は効率が上がりません。最近では抗アレルギー薬も改良されて眠気が少ないタイプが発売されていますが、眠気を完全に感じないという人は少数派であり、たいていは副作用と区別のつかない眠気やだるさに悩まされています。

 漢方薬の場合は、抗ヒスタミン剤のような眠くなる成分は一切含まれていません。花粉症の眠気や倦怠感に加えて薬の副作用で一層パフォーマンスが低下してしまう人にとっては、漢方は非常に理想的な治療薬です。妊娠中の花粉症でも、臨床的には有用な治療法とされています。幅広い症状やライフスタイルにも対応できることも漢方のメリットです。

 他にも、漢方は次のような人におすすめです。

・花粉症を根本的に改善したい人
・抗アレルギー薬が合わずに治療に苦慮している人
・抗アレルギー薬の量を減らしたい人
・副作用が心配で薬を飲み続けることに抵抗がある人
・抗アレルギー薬だけでは効果が不十分な人
・治療費用はなるべく抑えたい人

漢方を上手に取り入れて今年こそ花粉症を撃退しよう

 今年は重症花粉症をターゲットにした抗体医薬の登場が注目の話題です。重症度が高い方にとっては選択肢が増えたことは朗報といえます。ただ、薬剤費のみで1か月あたり3割負担で約1万円から12万円もかかるほど高額です。7)定期的に注射を受けないといけない身体的なリスクやストレスもあります。また、この治療は重症花粉症に限定されるため、重症化する前から使うことはできません。

 また、舌下免疫療法は根治治療での有用性が注目されています。現在のところ花粉症はスギ花粉アレルギーだけが適応となりますが、継続による効果が認められています。ただ、3-5年間続けて服用する必要があること、即効性がない、アナフィラキシーなどの問題があって、十分に普及している状況ではありません。8)上手くいけば根本改善ができる方法ですが、長期戦とコストの問題で挫折する人も少なくないようです。

 では、漢方は単独でも優れた効果が出ることもあれば、西洋薬と併用により効果が高まる場合もあります。古くからの歴史があり経験に裏付けられた医学である漢方はますます現代医学でも応用が期待されている存在です。しかも、漢方はコストもさほどかからず、飲むだけなので簡単に続けられます。経験が長いので安全性も立証されたお薬であることも大きいでしょう。

 最近では忙しい方にも使いやすいネットで漢方相談できるサービスもあります。街の漢方薬局にいく時間がないという方やまずは試してみたいという方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか?

参考:京都駅前耳鼻咽喉科アレルギー科クリニック(https://www.kyotonose.jp/column/detail.php?id=40)、つくば難聴めまいセンター(https://keiyu.or.jp/ent/top/qa/qa01/)
(文=笹尾真波)

取材協力:ロイヤル漢方クラブ
クリニック情報
住所 東京都渋谷区渋谷3-6-18第4矢木ビル2F
   JR渋谷駅C1出口より徒歩3分
電話 03-5464-1234
※来院が難しい方への漢方アドバイスはこちらから
https://www.kamposupport.com/anshin1.0/hp/


笹尾真波(ささお・まなみ)

一般社団法人日本薬業研修センター漢方講座執筆・編集
漢方アドバイザー養成講座アドバイザー(国際統合治療協会)
ロイヤル漢方クラブあんしん漢方認定薬剤師
ご自宅で漢方アドバイスを試したい方はこちら(あんしん漢方)
https://www.kamposupport.com/anshin1.0/hp/

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