隠れた移民問題 なぜ発展途上国から米国に移住すると、病気を発症しやすくなる?

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途上国への出張で米国人の腸内微生物に大きな変化

 食習慣がマイクロバイオームを一変させるとする研究は、ほかにもまだある。

 米ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学の研究グループは、1年間にわたって健康な成人男性2人の食事や行動の履歴、腸内と唾液中の細菌の変化を調べた10万サンプルに及ぶ研究成果を「ゲノム・バイオロジー」(2014年7月)に発表している。

 調査の結果、マイクロバイオームと睡眠、運動、その日の気分との関係に大きな影響は見られなかった。だが、被験者が途上国に出張した時にマイクロバイオームは大きな影響を受けた。さらに食物繊維が豊富な食事を摂取すると、翌日にマイクロバイオームの15%に顕著な変化があった。

 以上の知見から、研究グループは、マイクロバイオームと食物繊維の摂取やライフスタイルとの関係は極めて大きいと結論づけている。

 腸内微生物は食べ物や食物繊維の消化を助け、必須ビタミンを合成し、ホルモン系・免疫系・神経系を正常化し、ホメオスタシス(生体恒常性)保ちながら、病原菌の侵入からマイクロバイオームを守り、病気の発症や予防に役立っているのだ。

 マイクロバイオームが乱れると、インフルエンザや風邪、鼻炎やアトピー性皮膚炎、消化不良や便秘、下痢などを発症しやすくなり、肥満などの生活習慣病を招きやすくなる。

 マイクロバイオームを快適に保つためには、乳酸菌やビフィズス菌を含むヨーグルトをはじめ、食物繊維、オリゴ糖、味噌、醤油、納豆、ぬか漬け、なれ寿司などの発酵食品の摂取が欠かせない。

 移民というテーマにおいては、とかく社会の受け入れや反発、経済や雇用への影響の側面が注目されがちだ。しかし、移民する側の人間の体内では、住む環境が変わることによってひそかに移民への適応が進んでいる。仮に、それが健康リスクを高めているとしてもだ。
(文=編集部)

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