「吸える/吸えない」表示は定着するか?
カフェ利用は、それが不意の商談であれ、知人との久々の再会であれ、(普段の常連店選びを別にすれば)もっと行き当たりばったりであったり、待ち合わせ店が満席で他店行きを余儀なくされたりするものだから――その場選びが多いだろう。
それゆえに同伴者への忖度(喫煙者か/非喫煙者か/あまりこだわらない派か/かなりの嫌煙者か等々)を慮れば、店の入口表示を望みたいところだが、前掲のベローチェ吉祥寺店の如く、明確な態度を表明している店舗はいまだ稀少だ。
受動喫煙対策に関する取材記事を読むと、どこの広報見解も「検討中」「現時点での公式コメントはない」とか、趨勢を鑑みながら「粛々と対応したい」とか「(喫煙派/非喫煙派)双方のお客様に喜んでいただけることを使命に」云々などの優等生的かつ曖昧な返答ばかりが並んでいる。
いっそ全席喫煙(可能)店と全席禁煙店がブランドごとにきれいに白黒分派してくれれば、双方の利用層にとっては便利(?)なのかもしれないが、経営事情からはそうもいかないだろう。
受動喫煙に関する都条例や増進法は成立しても、まだまだ当面は、透明で曖昧で微妙にして選びにくいカフェ事情が続きそうである。
(文=編集部)