子どもへの性的虐待は国に重い財政負担を強いている
性的虐待が子どもの精神面や身体的な健康に計り知れない影響をもたらすことは明白だが、Letourneau氏は「その事実だけでは防止策の拡充にはつながらない」と指摘している。
加えて「性的虐待を受けた後の対策ばかりでなく、被害の発生自体を防止することが重要だ」とした上で、こうコメントしている。
「今回の研究で、子どもへの性的虐待がいかに国に重い財政負担を強いているのかを信頼性の高い推計値で示すことで、政策立案者が防止策の普及に力を入れる契機になると期待している」
Letourneau氏らによれば、子どもへの性的虐待による影響は、子どもが成人した後も長期的に続くことが、これまでの研究で明らかにされている。
また、性的虐待を受けた子どもは、性感染症、暴力や自傷行為、薬物乱用といった問題を抱えるリスクも高いことを示した研究もあるとしている。
(文=編集部)