認知症は予防できない? 「長生きの証」というポジティブな考えもある

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認知症、親の介護はこんな現実

 

 そして、いつか必ずやって来る「別れ」には、どう対処するべきか?

 本書では「認知症専門病棟」と「グループホーム」というそれぞれの立場から、看取りまでのステップが書かれている。無駄な延命措置をすることなく、穏やかに最期の時を迎えられるような配慮が感じられる。

 日本のほとんどの介護施設では、体調が悪くなった入所者は病院に移されるのが主流だが(そして無駄な延命治療が始まる)、武田純子氏のグループホーム「福寿荘」では、訪問診療医との連携により施設内で看取りまで行う。親を介護施設に入所させる際には、終末期を迎えた場合の対処法を確認しておくべきだろう。

 このほか、徘徊や弄便、盗食など、認知症の人によく見られる問題行動の理由も記されているから、本書を読めば、実際にその場面に直面しても、慌てることなく対処できるようになるのではないだろうか。

 また、海外の終末期医療の視察など興味深いレポートの寄稿もあり、認知症と、認知症を取り巻く現実について深く理解することができる。現在、認知症の親を介護している人はもちろん、将来、親を介護する必要に迫られる可能性のある人も、ぜひ手にとってほしい書籍だ。

 共著者の一人、宮本 礼子氏が2015年に夫の宮本顕二氏との共著で出版した『欧米には寝たきり老人はいない 自分で決める人生最後の医療』(中央公論新社)も合わせて読むことをお勧めする。このサイトでも以前に取り上げたので(参考:終末期医療のタブー!? なぜ欧米にはいない「寝たきり老人」が日本は200万人もいるのか?)、興味のある人はぜひ見てほしい。
(文=編集部)

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