性器を負傷した兵士、死亡ドナーからの移植で性機能回復!

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性器外傷による損失とストレス

 戦争や事故が奪う「セクシャル・クライシス」。つまり「性器外傷」の肉体的・精神的・社会的な損失とストレスは計り知れない。

 性器外傷は、男性の精巣、陰嚢、陰茎の損傷が多い。一部の文化圏で行われる、女性の陰核切除による性器断節も、性器外傷の一種だ。

 男性の精巣損傷は、戦傷、暴行、交通事故、スポーツ損傷などの鈍的外傷によって挫傷や破裂(白膜の破断)を伴う。陰嚢損傷は、穿通性外傷、熱傷、引き抜き損傷によって生じる。一方、陰茎損傷は、ファスナーによる受傷、性行為中の強い屈曲による陰茎折症、尿道損傷がある。その他、切断(自傷または重機に衣服が巻き込まれて受傷)や絞扼(勃起を増強するための陰茎リングの圧迫による受傷)なども少なくない。

 このような性器外傷は、勃起障害、性腺機能低下症、感染症、組織欠損、尿道の瘢痕形成などの合併症を伴いやすい(参考:MSDマニュアルプロフェッショナル版)。

「人口ペニス」で救われる男性も

 性器外傷のリスクは甚大だが、「人口ペニス」で救われる男性もいる。「ボタンで勃起する人工ペニスの世界初の形成手術が成功」という報道だ(ngadget日本版:2015年8月26日)。

 英国スコットランドのエディンバラに住むモハメド・アバド氏は、6歳の時に遭遇した交通事故で陰茎と片方の睾丸を失ったが、世界初の「バイオニック陰茎」の形成手術を受けた。

 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの医療チームは、アバド氏のために3年をかけ、失われた陰茎を再建する手術を実施。前腕部などから皮膚などの組織を移植しつつ、内部には2本の収縮パイプとポンプを埋め込んだ。

 このポンプは、できあがった陰茎を膨張させるために使われ、スイッチは陰嚢の裏にあり、ボタンを押せば、ポンプが下腹部のタンクから陰茎内に液体を送り込み、勃起状態になる。伸張時の長さは8インチ(約20cm)。フィニッシュ後は陰嚢裏のもう一つのボタンでコンパクトサイズに戻せる。伸縮にかかる時間は数秒らしい。

 だが、3年がかりの再建手術が成功し、ようやく男性の自信と機能を取り戻したアバド氏だが、パートナーがいない状態が続いたのはアンラッキーだった。

 ちなみに、米国初の陰茎移植手術は、2016年に米マサチューセッツ州ボストンにあるマサチューセッツ総合病院で行われた。また、世界初の陰茎移植手術は2014年、南アフリカの外科医チームが実施した。
 
 再生・再建手術で再起できるなら、拒む理由はない。だが、先述のように、様々なリスクも課題も横たわっている。より安全・確実・適正な治療費で恩恵を受けられる日が待ち遠しい。
(文=編集部)

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