いい瞑想が体の状態をも整える
運動の後の瞑想・マインドフルネスは、基本あぐらを組んで行う。「音楽は最初は使いますが最後は静寂です。普段いろんな音が入っている環境にみんな慣れてしまっているので、いきなり静寂になると、そわそわしちゃうんです。普段、何もしないことが苦手。だからいきなり静寂を作ったりはしません」と松尾氏はこだわりを明かす。
ここでは姿勢も重要になる。「精神状態は体という箱がきちんと整わないと整わない。瞑想もなぜ背骨を伸ばすのかというと、背骨を伸ばさない限り心が整わないからです。背中が丸まるとそれこそ鬱や眠気に引っ張られる。だから背骨を伸ばすんです。しっかりあぐらが組めて、肩の力が抜けて、いい瞑想の状態を作るために、ここでは瞑想とストレッチを組み入れたカリキュラムを組んでいるんです」
ここでのストレッチから脱力への流れは、1日だけ行ってももちろん効果は薄い。「継続することが大事だ」と松尾は説明する。
「仕事をする上でのベストコンディションを作るということを、ZERO GYMは大切にしています。疲れは溜まってしまうものなので、溜まりにくくするためにも継続して行うことを薦めています。やり方さえ覚えれば、日常生活の中でもできるようになります。引き出しさえ作ってしまえば、人生の中でそれを続けていけばいいこと。それまでは週1回、最低でも3カ月は通って欲しい」と述べる。
男女別、少人数制の意味
「ZERO GYM」は完全男女別で、少人数制でレッスンを行う。
男女を分けることについて松尾氏は「女性と男性は全然違う。別の生き物なんです」と男女の体の違いやメンタル面での相違点を指摘する。「体を整える中、男女一緒の誘導はできないんです。ストレッチひとつでも負荷が違ってくる。男女では追い込み方も変わってくる。女性の場合は更年期もあるし、出産で体の状況も変化しやすい。プログラムの段階で男女分けたものを使っています」と説明する。
レッスンは75分。メインとなる『疲労回復プログラム』のほか、姿勢改善によって頭と体の不調を整える『超「姿勢力」プログラム』と、集中力を向上させるための『集中力アッププログラム』があり、これとは別に、その日1日をクリアな頭で過ごすことを目的とした45分間の『朝瞑想』のレッスンも設けている。
料金は会員向けプランが月2回コースが1万4000円、 月3回コースが1万8000円、月4回コースが2万円。1Dayプランが1回8000円となっている。
松尾氏は当初この料金について「女性には高め」と思っていたというが、オープンしてみると男女比は半々。体験も含めると、この一年で1000人以上の利用者が訪れるなど、思った以上の反響に驚いているという。
ジムではミネラルウォーターや水素水に加え、コールドプレスジュースの販売も行う。高橋氏は「身体疲労や脳疲労に加えて、内蔵疲労というのがあって、体に優しいものということで、野菜や果物などの生の栄養を摂取できるコールドプレスジュースを販売しています。食べ物が体に与える影響は本当に大きいんです」と話す。
飲料だけでなく、血行促進を促すリカバリーウェアの販売、レンタルも行っているという。いずれも自社製品ではないが、「疲労回復は他の分野でも注目を集めていて、世の中に疲労回復にかける比重が高まれば、日本を支えるビジネスパーソンの方に寄与できる。いろんな企業と手を組んで市場を広げるということにも今後注力していきたい」と前向きだ。
サラリーマンの大半が、「疲労回復」が職場でのパフォーマンスアップに繋がるとは想像もしていない。仕事終わりのほんの75分、洗練されたメソッドに触れるだけで、身体や脳疲労は回復。翌日はベストなコンディションで仕事に臨むことができる。
今後はこの分野が夜、大きな注目を集める時代が来るかもしれない。高橋氏は今後の店舗の展開についても前向きだ。「今千駄ヶ谷の1号店がほぼ満員状態になったので、2店舗目を年内には出したい」と展望を語る。
(取材・文=名鹿祥史)
◆ZERO GYM presents『超疲労回復ナイト』@丸の内
日時 :2018年5月30日(水)19時00分~20時30分(受付開始:18時30分)
場所 :コンファレンススクエア エムプラス サクセス
(東京都千代田区丸の内2-5-2 三菱ビル1F)
講師 :松尾 伊津香(ZERO GYMプログラムディレクター/プロボディデザイナー)
https://peatix.com/event/380461/view