2017年6月にオープンしたビジネスマンのための疲労回復専用ジム「ZERO GYM」(写真は同社のHPより)
知らず知らず溜まっていくストレスや疲れが原因で、仕事の効率が上がらなくなる、意欲がわかなくなるなどの悩みを抱える30〜40代のサラリーマンは多いのではないだろうか。
東京都・千駄ヶ谷に昨年(2017年)6月にオープンした「ZERO GYM」は、そんなビジネスパーソンのための疲労回復専用のジムだ。「ストレッチ」と「マインドフルネス」を組み合わせた独自のメソッドで、身体疲労や脳疲労にアプローチを試み、サラリーマンの健康改善やビジネスの場でのパフォーマンスアップをサポートする。
ジムでは、肩凝り、腰痛、筋力低下、猫背、肥満、運動不足といったサラリーマンの抱える体の問題や、眠気、倦怠感、集中力の低下、イライラ、やる気が出ないなどのメンタルの問題を、次の4つのステップで解消していく。
①ストレッチ(ほぐす)
②自重トレーニング(流す)
③瞑想・マインドフルネス(緩める)
④脱力(抜く)
まず、体を適度に動かすことで脳が休息しやすい状態を作り出し、その後、瞑想などによって脳の疲れをリセットして、「最高の脱力(ZERO)」へ繋げるというメソッドだ。疲労回復の効果だけでなく、仕事でのベストコンディション作りに繋がると評判を呼び、オープンから1年で多くの利用者を獲得している。
「マインドフルネス」との出会いが契機に
「ZERO GYM」を経営するのは株式会社ビジネスライフの小早川幸一郎氏だ。小早川氏は、同ジムの運営と並行して、「クロスメディア・パブリッシング」というビジネス書の出版社を経営している。この出版社で2015年から刊行している、健康をテーマに盛り込んだ「ビジネスライフ」シリーズがヒット。ジムを立ち上げる契機になったという。
コンテンツマーケティング部長を務める高橋孝介氏は「『ビジネスライフ』は、睡眠や食事をテーマにしたシリーズで、そこを整えることでビジネスの面でもパフォーマンスアップしましょうという内容だったんですけど、これがとにかく好調だったんです」と当時を振り返る。
ヒットの中で重要なキーワードとなったのが、精神疾患などに効果をもたらす「マインドフルネス」の理論だったという。「それをリアルにできる場所が日本にはない」という素朴な疑問から「ZERO GYM」の構想が持ち上がった。
「マインドフルネスと言っても、世の中の人には、なかなか伝わらない。このマインドフルネスで解決するものを『脳疲労の回復』と自分たちは定義したんです。身体疲労と脳疲労の両方取り除けるようなものがいいねって」とジムの構想は、その後、どんどん具体化していった。