重曹は洗剤としても消臭剤としても研磨材としても有能(depositphotos.com)
昨年(2016年)9月、米国食品医薬局(FDA)はトリクロサンやトリクロカルバンなどの殺菌剤19成分を含む抗菌石けんの販売を1年以内に停止すると発表。それを受け、日本の厚生労働省も1年以内に代替製品に切り替えるよう業界に求めた。
そのため、2017年9月以降、これまでおなじみだった薬用石けんやハンドソープがドラッグストアなどの店頭から消えた。
健康を守るために使っていた薬用石けんや抗菌ハンドソープが、免疫機能やホルモンなど健康への悪影響をもたらすと聞き驚いた人も多いだろう。禁止抗菌成分に過敏になったり、化学物質そのものを敬遠したりする傾向は今後も加速しそうだ。
そのような人々から見直されているのが「ナチュラルクリーニング」だ。
人体や環境に負荷をかけない「ナチュラルクリーニング」
ナチュラルクリーニングとは、巷に溢れる「合成洗剤」を使わないで行う掃除のこと。
合成洗剤は、泡立ちがよく洗浄力も高いので便利だが、洗浄成分のメインに使われているのは環境に負荷をかけるといわれる合成界面活性剤だ。人体への影響も明らかになっていないこともあり、安心・安全とは言い難い。
ナチュラルクリーニングで使用するのは、もともと自然界にある成分からできた重曹やクエン酸、石けんなど。手肌に触れても安心だし、環境に負荷をかけることもない。
拭き掃除が終わった際、合成洗剤なら成分が残らないよう水拭きする必要もあるが、ナチュラルクリーニングは分量さえ守っていれば、二度手間が不要。
また、キッチン・トイレ・風呂・フローリングなど場所によって洗剤が異なる合成洗剤とは違い、汚れの種類で洗剤を使い分けるだけだからコスパもいい。