再び米国で「抗菌グッズに効果なし」! 甲状腺ホルモンの低下や皮膚がんのリスク上昇?

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再び米国で「抗菌グッズに効果なし」の声明が(depositphotos.com)

 石鹸や歯磨き粉や化粧品などを筆頭に「抗菌」を謳う一般家庭用品は幅広く存在する。購入時にその二文字に信頼性を託し、選ぶ基準としている消費者も少なくないだろう。

 しかし、そんな世間の「抗菌神話」とは裏腹に、実際は「菌を死滅させる作用」が不十分で、むしろ「健康を害する可能性」さえ疑われていると知ったら、伸ばした手も思わず引っ込みはしないだろうか?

「製品が謳う安全性や有効性が確認できない」

 本サイトの読者ならば、もはやお馴染みの化学物質、過去記事でも何度か警告を呼びかけてきた抗菌成分「トリクロサン」と「トリクロカルバン」。それに関する最新事情が『Environmental Health Perspectives』(2017年6月号)に掲載された。

 記事は、世界29カ国の研究者や医師陣のグループが連帯し、上記に代表される抗菌成分の含有製品には「ラベル表示を必須とする」ことを訴える内容だ。

 と同時に、管轄の米国食品医薬品局(FDA)と米国環境保護庁に対しては、これらの成分の「不必要な使用の規制」を要求している。

 前者のFDAは、昨年、件のトリクロサンやトリクロカルバンほか17種類の抗菌成分が含まれているハンドソープやボディソープの販売を禁じた。禁止の理由は「(製品が謳う)安全性や有効性が確認できないため」という明確なものだった。

トリクロサンはシャンプーから台所用品まで

 だが、そんな手厳しい規制下でもトリクロサンは、シャンプーから台所用品まで日常的に接する数多の製品に使用されて各家庭内で鎮座している。

 規制対象外のものでは、衣類や玩具、まな板やバスタブ、毛布やマットレスから家具、クレジットカードまでに使用されていると知れば、トリクロサンの身近さがわかるというもの。

 今回の声明文に賛同し、署名に加わった米国ワシントンD.C.の環境保護団体EWG(Environmental Working Group)のDavid Andrews氏のコメントが「要求」の趣旨を簡潔に物語る。

 「人々は長い間、抗菌製品は『安全性』と『健康』を向上させるものだと信じるように仕向けられてきた。しかし、実際にはそうではないし、それを示すエビデンスがある」

 FDAの見解によれば、そのエビデンスの大部分は「動物研究で得られたもの」だという。具体的には、トリクロサンが、①甲状腺ホルモンの値を低下させる、②抗菌薬が効かない耐性菌の発生につながる、③皮膚がんのリスクを上昇させる、などの可能性が従来の研究でも示唆されてきた。

 もっとも今回の共同声明でも、健康へのベネフィット(効き目)が明らかにされている場合に限っては抗菌薬の使用を推奨している。たとえばが「感染症の治療」のために医師が処方した場合などがこれに当たる。

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