道端アンジェリカさんがカミングアウトした「乾癬(かんせん)」とはどんな病気?(前編)

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道端アンジェリカさんがカミングアウトした「乾癬(かんせん)」とはどんな病気?(前編)の画像1

道端アンジェリカさんがカミングアウトした「乾癬(かんせん)」とは?(depositphotos.com)

 道端アンジェリカさんが告白したことから有名になった「乾癬(かんせん)」という病気。皮膚が赤く盛り上がり、銀白色のフケのようなものがぽろぽろと剥がれ落ちるのが特徴で、見た目の問題や周囲の理解不足などから生活の質(QOL)を著しく低下させる。

 また、「かんせん」という発音から「感染」と間違われることが多いが、実際は感染することはない。

 炎症性角化症のひとつである乾癬とはどのような病気か、東邦大学医療センター大森病院皮膚科・乾癬専門外来を担当している橋本由起医師に話を聞いた。

4つの症状とタイプ

 「乾癬の症状には、①皮膚が赤くなる(紅斑)、②皮膚が盛り上がる(浸潤)、③銀白色の鱗屑(フケのようなもの)ができて剥がれ落ちる、という主に3つの特徴がある。最初は、頭部(主に髪に覆われている部分)に脂漏性皮膚炎と似たような皮膚症状や、あるいは下腿(膝から下)の皮膚症状から始まることが多い。そして徐々に、身体全体に皮膚症状が広がっていく。また皮膚症状から遅れて、関節の痛みや変形を伴う場合もある」と橋本医師。

 皮膚症状だけのタイプを「最も普通の」という意味で「尋常性乾癬」といい、患者のおよそ9割がこのタイプだ。

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尋常性乾癬

 そして皮膚症状に加えて、リウマチのような関節の痛みや変形を伴うタイプを「関節症性乾癬」という。最初は皮膚症状だけが先行し、数年経過した後、関節症状が出ることが多い。関節症状を伴うものは全体のおよそ15%程度を占めるとされ、近年、関節症性乾癬と診断される患者が増えている。

 その他、溶連菌などの感染症に罹患した後に、水滴ぐらいの大きさの皮疹が急に全身に現れる「滴状乾癬」がある。抗生物質を内服するなど感染症を治療することで改善することもあるが、湿疹のような症状のため、治療をしないまま放置していると尋常性乾癬に移行する場合もある。

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関節症性乾癬

 また非常に発症はまれだが、発熱(灼熱感)や寒気、全身の倦怠感、むくみ、関節痛などを伴い、急激に全身の皮膚が赤くなり、うみをもった膿疱(のうほう)が多数現れる「汎発性膿疱性乾癬」という種類がある。生命に関わることもあるため、該当する症状が現れたら一刻も早い治療が求められる。

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