医師、歯科医師も治療に取り入れるMEC食
MEC食を治療の一環として取り入れている医師や歯科医師がいる。今年9月、四街道徳洲会病院(千葉県四街道市)に「MEC食外来」を開設した福田世一医師もそのひとり。
福田医師は、小倉台福田医院(千葉県千葉市)の院長である。すでに自院で実践していたが、今回新たにMEC食外来の開設に至ったのは、さらにMEC食を広める――という考えからだ。
MEC食外来には、糖尿病や脂質異常症、うつ、イライラ、パニック障害などの患者が訪れる。そのほとんどが「薬を使わずに食事だけで改善したい」と希望している。
また、「本を読んでMEC食を知って実行しているが、今のやり方でいいのか教えてほしい」「スポーツクラブで勧められてMEC食を始めた。3キロ痩せたが、便秘になった」という人なども、同外来に足を運ぶ。
「MEC食の正しい方法が伝わっていないケースは少なくない。特にジムのトレーナーは、タンパク質の摂取は勧めても、脂質を避けるようにと伝えがち。<脂質を積極的に摂取する>のに、今だに抵抗がある」と福田医師は語る。
MEC食に興味をもつ人や悩みや疑問の解決のひとつとして、「渡辺信幸MEC&KK30」という情報交換・交流グループに参加して、実践者たちの生の声を参考にしてもいい。
今後、四街道徳州会病院のMEC食外来では、「動脈硬化」の予防効果を検証を行う予定だ。これまで動脈硬化を招く――とされた肉や卵を食事のメインにするため、不安や疑問をもつ人は少なくないからだ。
血液検査をはじめ、血管の硬さを評価する「PWV(血圧脈波検査)」、血管壁の厚さを測定する「頸動脈エコー」を用いて血管の状態を確かめる。「MEC食歴が長い人は、ぜひこの検査を受けて、実際の年齢と血管年齢を比較してほしい」(福田医師)
また、「東京MEC食講演会」での座談会には、「ダイエット総選挙2017夏の陣」で「肉食やせ」チームの一員だった吉村真麻さんも参加。高校3年間で30kgの激太り後、同番組でMEC食にトライ。2カ月間で17.9kgのダイエットに成功し、リバウンドもない――とその効果を熱く語った。
講演会で登壇した渡辺信幸医師は、「病気を治しても健康にならなければ意味がない。まず、私たち自身が健康でなければ、さまざまな社会問題にも対峙していけない。MEC食で健康になる――は社会運動である」と述べている。
(文=編集部)
福田世一(ふくだ・せいいち)
小倉台福田医院(千葉県千葉市)院長。同医院は平成24年4月に開業し、内科・外科・整形外科・小児科・皮膚科を標榜。全科においてMEC食を治療方針として、高血圧や糖尿病の治療をはじめ湿潤療法による熱傷(やけど)などの創傷治療、トリガーポイント注射、エコーガイド下筋膜リリース注射による疼痛治療の緩和なども行っている。今年9月より四街道徳洲会病院(千葉県四街道市)で「MEC食外来」(電話番号:043-214-0111、毎週金曜午前に診療)をスタート。医学博士、日本内科学会認定内科医、日本透析医学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、高濃度ビタミンC点滴療法認定医など。
*「小倉台福田医院」www.clinic-fukuda.jp、「MEC食ドクター福田世一 プチMEC食のススメ」seiichizb4.blog.fc2.com、「千葉・東京MEC会の情報サイト」http://meckk30.org/