治ったときだけ支払う「成功報酬型」のがん治療薬「キムリア」で医療は変わるか?

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「キムリア」は、治れば支払う「成功報酬型」の治療薬!

 さて本題である。「成功報酬型」の治療薬とはどんなものか?

 ノバルティスは、価値に基づく医療(value-based care)を効率的に提供し、患者の治療へのアクセスを確保するために、達成されたアウトカム(臨床成果)に基づいて、医薬品の薬価を設定する(indication-based pricing)システムの導入によって医療制度の非効率性を排除することをめざしている。

 つまり、効かなければ薬剤費を払わなくてもいいといいことだ。
 
 FDAが承認した「キムリア」は、米国、EU、カナダ、オーストラリアおよび日本の25の医療機関で、小児患者を対象に行われた初めてのCAR-T細胞医療のグローバル試験(非盲検多施設単群第II相ELIANA試験)の大成果だ。

 この試験では、68人の被験者に「キムリア」を輸注し、63人の有効性を評価した結果、患者の83%(63人中52人)が、輸注から3カ月以内に完全寛解(CR)または血球数回復が不完全な完全寛解(CRi)を達成した。

 だが、有害事象や副作用の懸念もある。

 最も高頻度に見られた有害事象は、サイトカイン放出症候群(CRS)、低ガンマグロブリン血症の他、原因不明の感染症、発熱、食欲低下、頭痛、脳症、低血圧、出血、頻脈、悪心、下痢、嘔吐、ウイルス感染症、低酸素症、疲労、急性腎障害、せん妄など。
 
 また、神経事象では、脳症(34%)、頭痛(37%)、せん妄(21%)、不安(13%)、振戦(9%)もある。

 さらに、副作用には、呼吸困難、発熱(38°C以上)、悪寒による震えをはじめ、混乱、重症の悪心、嘔吐、下痢、重症の筋肉痛、関節痛、重度の低血圧、めまいなどがある。

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