連載「頭痛の秘密がここまで解き明かされてきた」第18回

片頭痛とてんかんに多い共通点 あなたは「共存タイプ」「独立タイプ」「並存タイプ」のどれ?

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片頭痛とてんかんはおなじ?

 神経疾患の中で、てんかんの人の有病率(病気を持っている人の割合い)は、約1%であり、100人のクラスだと1人はてんかんを持っているいということになります。ちなみに片頭痛は、もっと多数の方が罹患しており、約6%とされています。

 この「片頭痛とてんかん」は「神経機能性疾患」と呼ばれ、脳の病気では、良い時(病気のない時)と発作の時(病気が起こっている時)があるという点など、両方の病気は共通している部分が多い病気とされています。そのような共通している2つの病気について、今回はお話ししたいと思います。

片頭痛と合併しやすい特発性てんかん

 そもそも片頭痛とは、軽度から激しい頭痛、体の知覚の変化、吐き気といった症状によって特徴付けられる頭痛です。生理学的には、片頭痛は男性よりも女性に多い神経学的疾患で、セロトニンや神経伝達物質であるCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)などの神経ペプチドが関連しているとされています。

 一方、てんかんの原因も神経細胞の異常な興奮によって起こるとされています。簡単にお話すれば、神経細胞の電気的ショートが起こって、てんかんという病気になるといると考えられます。

 WHO(世界保健機関)では「てんかんとは、種々の成因によってもたらされる慢性の脳疾患であって、大脳ニューロンの過剰な発射に由来する反復性の発作(てんかん発作)を特徴とし、それにさまざまな臨床症状及び検査所見がともなう。」と定義されています。この中で脳梗塞、脳腫瘍などの病気がないような、原因不明のてんかんを「特発性てんかん」と呼びます。このタイプが片頭痛と合併しやすいと考えられます。

西郷和真(さいごう・かずまさ)

近畿大学理工学部生命科学科ゲノム情報神経学准教授、近畿大学医学部附属病院神経内科。1992年、近畿大学医学部卒業。近畿大学附属病院、国立呉病院(現国立呉医療センター)、国立精神神経センター神経研究所、米国ユタ大学博士研究員(臨床遺伝学を研究)、ハワードヒューズ医学財団リサーチアソシエイトなどを経て、2003年より近畿大学神経内科学講師および大学院総合理工学研究科講師(兼任)。2015年より現職。東日本大震災後には、東北大学地域支援部門・非常勤講師として公立南三陸診療所での震災支援勤務も経験、2014年より現職。日本認知症学会(専門医、指導医)、日本人類遺伝学会(臨床遺伝専門医、指導医)、日本神経学会(神経内科専門医、指導医)、日本頭痛学会(頭痛専門医、指導医、評議員)、日本抗加齢学会(抗加齢専門医)など幅広く活躍する。

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