違いは「止める」か「整える」か
では、ここで問題です。服用不可の年齢でみた場合、どっちが「15才未満」服用不可で、どっちが「5才未満」が飲めないか? 当ててみてください。
ハイ、正解は前者が「ストッパ」だ。「正露丸」は5才以上から服用できる。一見、その伝統的ラベルや薬名(その書体)の貫禄から、オトナ仕様に思える正露丸のほうが対象年齢が幅広い点が、意外といえば、意外。
だが、よくよく考えてみれば、ゆえに百年常備薬として末永く服用されてきたのだろう。一方、ストレスや重圧からの下痢止め薬として後発進した「ストッパ」が、日々の通学や試験・受験で窮地に立たされやすい思春期層から(オトナまで)の服用に的を絞って製品開発を行なったのも、後出しの利だろう。
しかもライオンさん、抜け目なく「小中学生用ストッパ下痢止めEX」も出しており、こちらは「11才以上15才未満の用量が2錠」、「5才以上11才未満は1錠」で服用可だ。さらに「生理・冷えによる下痢止めストッパL(エル)」という女性仕様も出ている。
そんな現代的ラインナップに対抗できる超古株「正露丸」ならでは用法面での特性をあげると、「むし歯痛には、1~1/2粒を歯窩(むし歯の穴)につめてください」というサプライズだろうか。さすがは戦場の兵士に携帯させただけのことはある。
「正露丸」の危険性(説)については、本サイトの過去記事でも取り上げているので、そちらをご参照あれ。一方、ストッパの副作用としては、のどの渇きや多少の動悸、目のかすみなどがあり、母乳の出が悪くなるとか移行も確認されているので授乳期の服用は不可だ。
さて、ネット上の投稿でよく見かけるのが「両者の併用は大丈夫か?」という質問だが、成分のバッティングはないのでNGではないようだ。なんだか幾分、(飲む場所も時間も選ばない手軽さからも)ストッパのほうにやや好意的な記事となったような気もする――。
先日も、冷房がんがん・清涼飲料ぐびぐびになりがちな今夏の猛暑下、コンビニでの売れ行き好調商品を伝えるニュースの見出しには「正露丸」の文字が躍っていた。お腹が冷えての腹痛にはコンビニ世代もやはり「正露丸」か。王者、恐るべし。
(文=編集部)