90年以上もの歴史がある金冠堂の主力商品「キンカン」(画像は同社のHPより)
昔から変わらぬ「キンカン塗って、また塗って」のフレーズで知られる、90年以上もの歴史がある金冠堂の主力商品「キンカン」ですが、「その効果って実際どうなの?」と疑問に思ったことはありませんか?
キャップを開けた瞬間、ツーンと鼻に突き刺さるような臭いがキンカンの特徴ですが、添付文書によると、主成分は「アンモニア水」が21.30ml、次いで「d-カンフル」が2.41g、「ℓ-メントール」が1.97g、「サリチル酸」が0.57g、「トウガラシチンキ」が0.35mlです。
「キンカン」には肌に刺激のあるものばかりが配合
アンモニア水は、小中学校の理科の実験で一度は嗅いだことがあると思いますが、強烈な臭いを出すアレです。d-カンフルとℓ-メントールはスーッとする効果を持ち、サリチル酸は湿布などに良く使われている、あの独特な臭いを放つ薬品です。トウガラシチンキは、その名の通りトウガラシから作られるチンキで、もし舐めたら非常に辛い成分です。
これらの成分をパッと見ただけでもわかると思いますが、非常に肌に刺激のあるものばかりが配合されています。
なぜまったく関連性のない「虫刺され」と「肩こり」「腰痛」が効能に並んでいるのか?
効能を見てみると「虫刺され、かゆみ、肩こり、腰痛、打撲、捻挫」とあります。なぜまったく関連性のない「虫刺され」と「肩こり」や「腰痛」などが効能に並んでいるのでしょうか?
キンカンのホームページには、その特徴として「すばやく患部の熱を奪い去り、皮ふの知覚マヒや血行促進等により、鎮痛・鎮痒・消炎作用を示し、虫刺され、かゆみ、肩こり、腰痛、打撲、捻挫に対して優れた効果を発揮します」と書かれています。
それぞれの成分を特徴に当てはめてみると、「患部の熱を奪い去る=アンモニア・メントール・カンフルの気化」「血行促進=トウガラシチンキ・メントール・カンフルの熱感・冷感刺激」「消炎作用=サリチル酸の抗炎症作用」という感じになります。
このように当てはめてみると、幅広い効能に納得できなくはないですが……。